家電を設置するときにアース線を接続しようとしたものの、「つける場所がない」と困った経験がある人は多いでしょう。特に、電子レンジや洗濯機、冷蔵庫などの家電はアース接続が推奨されていますが、アースが取れないとどうなるのでしょうか?その影響と、安全に使用するための対策について解説します。アース線の役割は、家電内部で発生した漏電を地面に逃がすことです。アースがない場合、家電の金属部分に電気が帯電することがあり、触れたときに「ビリッ」と軽い感電をすることがあります。これは微弱な電流で済むことが多いですが、使用環境によっては強い電流が流れることもあり、感電事故につながるリスクがあります。特に、水回りで使用する家電では、濡れた手で触れた際に電気が伝わりやすくなるため注意が必要です。また、アースがないと家電が正常に動作しないことがあります。例えば、電子レンジでは静電気の影響でセンサーが誤作動を起こすことがあり、庫内の加熱が均一にならないケースがあります。また、洗濯機の場合、内部のモーターが帯電しやすくなり、長期間使用すると故障の原因になることもあります。対策として、まずは家の中にアース端子がないかを探してみましょう。キッチンや浴室、洗濯機置き場の近くには、壁の一部にアース接続用のねじ端子が設置されていることがあります。そこにアース線を接続することで、安全に使用できる可能性があります。また、延長アース線を利用すれば、少し離れた場所のアース端子を利用できることもあります。もしアースを接続できる場所が見つからない場合は、「漏電ブレーカー付きの電源タップ」を使うのも一つの方法です。これは、万が一漏電が発生した際に電流を遮断し、感電や火災のリスクを軽減するものです。完全にアースの代わりにはなりませんが、安全対策として一定の効果が期待できます。アース線をつける場所がない場合でも、適切な対策を取ることでリスクを減らすことができます。家電を安全に使用するために、アース端子の有無を確認し、必要に応じて延長アース線や漏電ブレーカーを活用するようにしましょう。