コンセントのゆるみ、原因は経年劣化だけだと思っていませんか?実は、意外な原因が潜んでいることも。この記事では、電気工事士が現場で遭遇した、コンセントゆるみの意外な原因と対策事例を、具体的なケーススタディ形式でご紹介します。 築50年の木造住宅にお住まいのAさんから、「最近、コンセントが抜けやすくて困っている」というご相談がありました。コンセント自体は新しいものに交換したばかりとのことでしたが、症状は改善されませんでした。そこで詳しく調査したところ、壁自体が長年の間に歪んでおり、コンセントを取り付けている部分に無理な力が加わっていることが判明しました。 壁の歪みを完全に修正するのは大掛かりな工事になるため、今回はコンセントを取り付ける際に、壁との間に緩衝材を挟むことで、コンセントにかかる負担を軽減しました。また、コンセントの固定ネジを通常よりも長いものを使用し、しっかりと固定することで、抜けにくくしました。 ペット(猫)を飼っているBさんから、「コンセントがグラグラしている」というご相談がありました。詳しくお話を伺うと、猫がコンセント周辺で遊ぶことが多く、プラグを引っ張ったり、コンセント自体を爪で引っ掻いたりすることがあるとのことでした。 コンセントカバーを取り付け、猫がコンセントに触れないようにしました。また、コンセントの周りに猫が近づけないように、ペットフェンスを設置しました。さらに、コンセントをより強固なものに交換し、猫のいたずらによる破損を防ぐようにしました。 毎日、丁寧に掃除機をかけるCさんから、「コンセントから焦げ臭い匂いがする」という緊急のご連絡がありました。すぐに現場に駆けつけ、コンセントを確認したところ、プラグの差し込み口が黒く焦げており、非常に危険な状態でした。原因は、Cさんが毎日掃除機を使用する際に、同じコンセントばかりを使用していたため、コンセントに過剰な負荷がかかり、内部の金属部品が劣化してしまったことでした。 焦げ付いたコンセントを新しいものに交換し、Cさんに掃除機を使用する際は、複数のコンセントをローテーションで使用するようにアドバイスしました。また、消費電力の大きい電気製品を使用する際は、壁のコンセントから直接電源を取るように指導しました。