賃貸住宅に住んでいると、家電を設置する際に「アース線をつける場所がない」と気づくことがあります。特に、築年数の古い物件では、コンセントにアース端子がないケースも多く、どうすればよいのか悩むこともあるでしょう。アース付きのコンセントに交換する工事は可能なのか、また、許可の取り方と対策について解説します。まず、賃貸物件でアース付きコンセントへの交換を考える場合、管理会社や大家に相談することが必要です。電気設備の変更は原則として入居者が勝手に行うことはできないため、事前に許可を取ることが重要です。特に、安全性向上のための工事であることを説明すれば、許可が得られる可能性が高くなります。アース付きコンセントへの交換工事自体は、それほど大掛かりな作業ではありません。既存のコンセントにアース端子が備わっている場合、交換作業は30分程度で完了します。ただし、壁の内部にアース線が配線されていない場合は、新たにアース線を引く工事が必要となり、時間と費用がかかることがあります。費用の相場は5,000円~10,000円程度ですが、新規の配線工事を行う場合は20,000円~30,000円ほどかかることもあります。もし工事が難しい場合や、管理会社から許可が得られなかった場合は、別の方法で対策を行う必要があります。一つの方法として、「延長アース線」を使用することが挙げられます。家の中の別の場所にアース端子がある場合、専用の延長アース線を使えば接続が可能になることがあります。また、「漏電ブレーカー付きの電源タップ」を利用するのも有効な対策の一つです。これは、漏電を検知すると自動的に電流を遮断する機能を持ち、感電や火災のリスクを軽減します。特に電子レンジや洗濯機など、アースが推奨されている家電を使用する際には、安全対策として役立ちます。さらに、家電の設置場所を工夫することも重要です。水回りの近くでアースなしの状態で使用すると、万が一の漏電時に感電のリスクが高まります。できるだけ乾燥した場所に家電を設置し、延長コードを使用する場合も、安全性の高いものを選ぶようにしましょう。