資本主義・民主主義について考える

『アメリカ 分断の淵をゆく―悩める大国・めげないアメリカ人』
(國枝すみれ/著)

国民の所得格差が大きな国は社会や政治が不安定になりがちだが、近年のアメリカはまさにそのような状況で社会の分断が進んでいる。思想的にも多文化主義を推進しようとするリベラルと、キリスト教に基づく伝統的な社会を維持しようとする保守に分かれ、憎しみ合っているのだ。

『22世紀の民主主義』
(成田悠輔/著)

昨今、SNSなどで「選挙に行こう」と若者の政治参加を呼びかける政治家やインフルエンサーが増えている。だが、本書の著者、成田悠輔氏は「若者が選挙に行って『政治参加』したくらいでは何も変わらない」と断言する。全有権者に占める 30歳未満の有権者の割合は 13.1%に過ぎず、投票率が上がっても超マイノリティのままだからだ。

『危険人物をリーダーに選ばないためにできること』
(ビル・エディ/著)

「執拗に相手を非難する」「何にでも白黒つけないと気が済まない」「何かと敵をつくり、対立を煽る」…、こうしたパーソナリティを持つ人々はしばしばカリスマ性を帯び、リーダーに選ばれることもある。実際に、近年のポピュリズムの台頭には、こうした特徴を持つ人物が政治家になっている背景があるという。

『DX進化論―つながりがリブートされた世界の先』
(尾原和啓ほか/著)

新型コロナウイルスにより社会のデジタル化へのシフトが加速した。その一方で、つながりすぎた社会や巨大 ITプレイヤーの寡占による不安も増大している。ではこうした DX(デジタル・トランスフォーメーション)の波が ビジネスや消費活動のみならず、資本主義や国家そのものを変革していったとき、どのような未来が訪れるのだろうか。

『THE HUNGRY SPIRIT これからの生き方と働き方』
(チャールズ・ハンディ/著)

近年、格差の拡大や金融市場の不安定さなど、資本主義経済の限界やゆがみを批判する声が高まってきている。こうした問題に対し、1997年時点で警鐘を鳴らしていたのが本書だ。20年前の発行とは思えないほど現在の資本主義のゆがみの本質をついているだけでなく、むしろその問いかけの普遍性が際立つものとなっている。

『なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか』
(戸堂康之/著)

新型コロナウイルスの蔓延により、経済危機や感染症の連鎖など、グローバル化の負の側面を感じた方も多いはずだ。またそれ以前より経済格差の拡大などで、自国優先、保護主義の「反グローバル化」の動きが活発化していた。では本当にグローバル化にはメリットを上回るデメリットしかないのだろうか。

『ビジネスの未来―エコノミーにヒューマニティを取り戻す』
(山口 周/著)

繰り返される経済危機や格差・政治的分断の拡大などによって、資本主義の限界や行き詰まりを指摘する言説が昨今増えてきている。では、その先の社会はどのようなものだろうか。本書では、資本主義の過去・現在を冷静に分析し、日本をはじめとする先進諸国の未来、およびあるべき社会システムを論じていく。

『武器としての「資本論」』
(白井聡/著)

ドイツの経済学者カール・マルクスによる古典的著作『資本論』。経済危機や格差増大といった資本主義のひずみが指摘される昨今、「今こそ『資本論』を読み直すべき」といった声もよく聞かれる。では『資本論』には何が書かれているのか。本書は大著『資本論』の解説にとどまらず、今を生きる「武器」として使いこなすための画期的入門書だ。

『格差は心を壊す―比較という呪縛』
(リチャード・ウィルキンソンほか/著)

超格差社会と呼ばれるアメリカをはじめ、欧米では格差問題への関心が高い。比較的格差が小さいとされてきた日本でも、近年格差や貧困の増大が叫ばれつつある。本書では、500を超える文献と国際比較データを基に、低所得者層だけでなく国民全員に悪影響を及ぼす格差や不平等の姿を明らかにする。

『ラディカル・マーケット―脱・私有財産の世紀』
(エリック・A・ポズナーほか/著)

経済の停滞や格差の拡大、政治の腐敗など、世界の政治と経済を取り巻く諸問題は近年さらに混迷の度合いを増しているようだ。そこで本書が提示する処方箋は、制度の調整といった小手先のものではなく、タイトル通りラディカル(過激な、根本的な)改革だ。その対象は、資本主義の根幹でもある私有財産制度にも向けられる。