資本主義・民主主義について考える

『武器としての「資本論」』
(白井聡/著)

ドイツの経済学者カール・マルクスによる古典的著作『資本論』。経済危機や格差増大といった資本主義のひずみが指摘される昨今、「今こそ『資本論』を読み直すべき」といった声もよく聞かれる。では『資本論』には何が書かれているのか。本書は大著『資本論』の解説にとどまらず、今を生きる「武器」として使いこなすための画期的入門書だ。

『格差は心を壊す―比較という呪縛』
(リチャード・ウィルキンソンほか/著)

超格差社会と呼ばれるアメリカをはじめ、欧米では格差問題への関心が高い。比較的格差が小さいとされてきた日本でも、近年格差や貧困の増大が叫ばれつつある。本書では、500を超える文献と国際比較データを基に、低所得者層だけでなく国民全員に悪影響を及ぼす格差や不平等の姿を明らかにする。

『ラディカル・マーケット―脱・私有財産の世紀』
(エリック・A・ポズナーほか/著)

経済の停滞や格差の拡大、政治の腐敗など、世界の政治と経済を取り巻く諸問題は近年さらに混迷の度合いを増しているようだ。そこで本書が提示する処方箋は、制度の調整といった小手先のものではなく、タイトル通りラディカル(過激な、根本的な)改革だ。その対象は、資本主義の根幹でもある私有財産制度にも向けられる。

『スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM(プログレッシブ キャピタリズム)』(ジョセフ.E.スティグリッツ/著)

近年、先進国を中心に「経済は自由市場に任せておくのが一番よい」という市場原理主義、あるいはグローバリズムの弊害が、格差や政治的分断などとして巻き起こっているように見える。本書の著者 ジョセフ・E スティグリッツ氏はより踏み込んで、これまでのアメリカの経済政策は明らかに誤りであったと主張する。

『無形資産が経済を支配する―資本のない資本主義の正体』
(ジョナサン・ハスケルほか/著)

近年、経営において特許や商標権、従業員の持つ技術や知識、あるいは企業文化といった物理的なモノではない「無形資産」の重要性が着目されている。一方でこれらは計測が難しく、その実態が正確に理解されているとは言い難い。本書は、無形資産の特徴を明らかにし、増大する無形資産への投資による社会的・経済的影響の全貌を示した労作だ。

『7つの階級 英国階級調査報告』
(マイク・サヴィジ/著)

日本でも格差社会や社会的階層の固定化といった問題が叫ばれるようになって久しい。これまで「階級」あるいは「階層」に関して、職業分類や経済状況などの議論がなされることが多かったが、本書のキーワードは、経済資本(資産と所得)、文化資本(嗜好、興味、文化活動)、社会関係資本(社会的ネットワーク)という3つの資本だ。

『支配の構造 国家とメディア』
(堤 未果、中島岳志、大澤真幸、高橋源一郎/著)

近年、インターネットによる玉石混交な情報の氾濫やフェイクニュース、大手マスコミの忖度による自主規制などによって、メディアに対する人々の不信感が高まっている。そんな中、名著を紹介する人気番組『100分de名著』の特別編『100分deメディア論』(2018年)が放送され、気鋭の論客たちによる熱い討論が大きな反響を呼び起こした。

『MMT現代貨幣理論入門』
(L・ランダル・レイ/著)

近年、最新の経済理論である MMT(Modern Money Theory:現代貨幣理論)が世界中で話題になっている。その趣旨は簡単に言えば「通貨発行権を持つ国は、債務返済に充てる貨幣を際限なく発行できるため、財政赤字が拡大しても問題ない」というものだ。そのため、先進国最大の財政赤字に苦しむ日本でも賛否両論の議論が活発化している。

『エマニュエル・マクロン―フランス大統領に上り詰めた完璧な青年』
(アンヌ・フルダ/著)

2017年5月、史上最年少でフランス大統領となったエマニュエル・マクロン。彼はどのような人物で、どうやって 39歳という若さでフランス大統領にまで登りつめたのか。本書では、幼少期からの家庭環境や、祖母や妻との関係などをいくつもの演説やインタビューの言葉からつぶさに分析し、マクロンの本当の人物像を描き出す。

『チャヴ 弱者を敵視する社会』
(オーウェン・ジョーンズ/著)

イギリスのマスコミでは、サッカー選手のデイビッド・ベッカムや歌手のシェリル・コールら労働者階級出身の著名人が、「チャヴ(労働者階級を侮蔑する言葉)」とくり返し馬鹿にされているという。1979年のサッチャー政権の誕生から、トニー・ブレアなどニュー・レイバー(「新しい労働党」を目指す労働党の一派)時代を経て現在に至るまで、労働者階級への敵視と攻撃が広がり続けているのだ。