視野を広げる

『元・宝塚総支配人が語る
「タカラヅカ」の経営戦略』
(森下信雄/著)

「宝塚歌劇団」は、独自の世界観や美学で、移り変わりの早いエンターテインメント業界において昨年100周年を迎え、売上も300億円(日本経済新聞推計)に達するなど、異例の強さを誇る。しかし、そのビジネスとしての詳細はほとんど知られていない。そこで本書では、元宝塚総支配人の著者が、宝塚の経営戦略の裏側を詳しく解説し、エンターテインメントビジネスの本質に迫っている。

『たいていのことは20時間で習得できる』
(ジョシュ・カウフマン/著)

本書で提唱される「超速スキル獲得法」で学習すれば、どんなスキルであれ20時間もあれば、一定のレベルに達することができるという。これは、習得したいスキルをできるだけ小さく分解し、特に重要なものを見極め、それを意識的に練習するという手法である。著者は自らを”学習中毒”と自認し、世界的ベストセラー『Personal MBA』を著して注目を浴び、TEDでも活躍する人物。

『21世紀の資本』
(トマ・ピケティ/著)

そんななか、フランスの経済学者 トマ・ピケティ教授が20か国300年に及ぶデータから経済格差を本質に迫った本書は、世界各国で累計150万部超という学術書として異例のベストセラーとなっている。本書でキーとなるのは「資本収益率(r) > 経済成長率(g)」という不等式である。この状態のとき、資本主義社会で格差は不可避に拡大し続けるという。

推薦者 村上憲郎
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『量子力学が語る世界像 ―重なり合う複数の過去と未来』
(和田純夫/著)

量子力学は、原子、電子などのミクロの世界を研究に端を発した力学分野である。そこで発見されたこれまでの物理常識とは異なる物質のふるまいは、現在では相対性理論とともに現代物理学の重要な基礎となっている。本書で解説される「多世界解釈」によれば、この世界には、いまも文字通り多数の世界が共存しているという。

推薦者 宮内義彦
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『櫛挽道守(くしひきちもり)』
(木内 昇/著)

幕末の木曽山中の藪原(やぶはら)宿を舞台に、櫛職人の家に生まれた長女登瀬という女性の人生を描いた作品である。登瀬は名工と呼ばれる父の櫛挽(ひ)きの技に幼い頃から魅せられ、跡取りであった弟の早世、家族との確執など、様々な苦労を重ねながら、父の背を追い、ひたすら櫛挽きの道に励む。

推薦者 崔 真淑
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『アフォーダンス 新しい認知の理論』
(佐々木正人/著)

日本におけるアフォーダンス研究の第一人者 佐々木正人氏が、人工知能からデザインにまで応用される「アフォーダンス」理論を解き明かした一冊。約半世紀も前に、ジェームス・ギブソン氏はこれまでの伝統的な知覚理論に真っ向から対立し、「アフォーダンス」を提唱した。そして現在、その考え方は人工知能等の研究領域において重要なキーとなっているという。

『サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ』
(下條信輔/著)

本書では、知覚心理学、社会心理学、行動科学などの多分野にわたる実験結果から、「人は自分で思っているほど自分の心の動きを分かっていない」という人間科学のセントラル・ドグマ(中心教義)を解き明かしていく。認知的不協和やサブリミナル効果などの個人の認知といったテーマだけでなく、科学的推論に基づく未来の「人間観」までが提示されている。

『日中韓を振り回すナショナリズムの正体』
(半藤一利、保阪正康/著)

日本のみならず中韓でも盛んに喧伝されつつある「ナショナリズム」について、誰がどのような意図で、国家をどこに導こうとしているのか、それを冷静に見極める視点を与えてくれる一冊である。半藤利一氏と保阪正康氏の対談形式で、歴史家ならではのエピソードを交えて日中韓のナショナリズムの歴史的背景などについても解説されている。

『データの見えざる手—ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』(矢野和男/著)

人間の行動は自由意思に基づくものと長く信じられてきた。しかし著者であり、日立製作所中央研究所の主管研究長を務める矢野和男氏は、「ビッグデータ」という言葉のなかった約10年前から、ウェアラブルセンサによる身体活動の研究を続け、数多くの実験によって人間、社会、組織を貫く法則性を導き出した。

推薦者 出口治明
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『好奇心の赴くままに ドーキンス自伝Ⅰ』
(リチャード・ドーキンス/著)

世の中に経営者の自伝は多いが、「科学者」の自伝―特に読者を引きこむ魅力を持つもの―は数少ない。本書はそんな貴重な一冊だ。著者「利己的な遺伝子」で、生命進化に対する見方にパラダイム・シフトを起こし、近年宗教問題など多方面にも影響力を与えるリチャード・ドーキンス。本書は、氏がその半生を自ら初めて綴った自叙伝2部作の第1部作目である。