視野を広げる

『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり 35個を万引きしたのか』
(北尾トロ/著)

一般的なビジネスパーソンからすると、犯罪や裁判所といった言葉は縁遠いものだ。しかし、ふとした出来心や油断によって「善良な市民」から転落してしまう人も多い。本書は数ある裁判の中から、そんなビジネスパーソンが起こした事件を中心とした裁判傍聴記である。実は日本で行われる裁判は原則的に公開されており、誰でも傍聴できるのだ。

『なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?』
(岡崎 大輔/著)

今、多くのビジネスパーソンや経営者の間で、「アート」が注目されている。それは、アート鑑賞によって問題解決能力や言語能力、考え抜く力などが鍛えられるからで、特に海外エリート層は、人生や仕事に役立てるために美術鑑賞を取り入れているという。ただし、漫然とアート作品を眺めているだけでは、そうした力は身につかない。

『現代暴力論―「あばれる力」を取り戻す』
(栗原 康/著)

民主主義社会において、「暴力」は忌避されるべきものだ。しかし、そこで思考停止せずに、実は「われわれは国家から一方的に暴力をふるわれている」としたらどうだろう。本書では原発事故以来、そうした国家の暴力がさらに強くなっていると指摘、大正時代のアナキスト大杉栄の思想を軸に、暴力、すなわち「あばれる力」を再考する。

『クラフトビール革命』
(スティーブ・ヒンディ/著)

近年、日本でも人気を博している「クラフトビール」。その多種多様な味わいや、個性豊かなブルワリー(醸造家、ビール会社)のスタイルに魅了されている読者も多いのではないだろうか。そんなクラフトビール文化の本場であり、いまや2,500軒以上のブルワリーを超える隆盛を見せているのがアメリカだ。

『無敵の経営』
(北川八郎/著)

企業経営の世界では戦略、競合、ターゲット(標的)など、戦争や戦場での理論や用語が多く使われている。しかし、本書のタイトルにもなっている「無敵」とは、歯向かう敵を圧倒的に打ち倒して「向かうところ敵無し」の状態ではない。それは、味方を増やし、そもそも敵を作らない境地を目指す「無敵」である。

『里海資本論―日本社会は「共生の原理」で動く』
(井上恭介、NHK「里海」取材班/著)

豊かな海産物の宝庫である瀬戸内海は、ほんの数十年前まで「赤潮」が頻発し、泳ぐこともままならなかった。そんな瀬戸内海を再生させたのが「里海」の思想だ。里海とは、人の手を適切に加え海を豊かにする運動であり、『里山資本主義』の共著者でもある著者 井上恭介氏は「里山資本主義」が”入口”、”出口”が『里海資本論』だと位置づける。

『善と悪の経済学』
(トーマス・セドラチェク/著)

チェコで大統領の経済アドバイザーを務めた気鋭の経済学者である著者は、価値中立的に見える経済学は、実は「善」や「悪」といった倫理や価値基準を内包しており、今こそその起源に戻り、伝統的価値観にもっと耳を傾けるべきだと主張する。人間の経済活動については、哲学、宗教、神話、詩から多くのことを学ぶことができるのである。

『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』
(デービッド アトキンソン/著)

2014年、訪日外国人数が過去最大の1,300万人を超え、2020年東京オリンピック誘致成功とともに大きな話題を呼んだ。では本当に日本の「おもてなし」は世界に認知され、日本は観光大国として存在感を示せているのだろうか?本書ではそうした楽観論へ異を唱え、人口減少を迎える日本が歩むべき観光戦略を真正面から論じている。

『民主主義の条件』
(砂原庸介/著)

気鋭の若手政治学者 砂原庸介氏が「民主主義の仕組み」を基礎から丁寧に解説した一冊。大きくは選挙制度・政党組織・権力分立・選挙管理という4つの視点から、今の政治をどう変えるべきかまでが論じられている。本書で著者は、根強い政治不信の根幹には、有権者の要求が反映されにくい「仕組み」があると指摘する。

『人は、誰もが「多重人格」
―誰も語らなかった「才能開花の技法」』
(田坂 広志/著)

「多重人格」という言葉は、一般的には「多才な人」というような褒め言葉として使われる場面は少ないはずだ。しかし、一流のプロフェッショナルは、「様々な人格」を切り替えながら仕事をしているという。本書では、複数の人格を育て、マネジメントすることで多様な「才能」が開花さえる技術と哲学が明らかにされている。