
『考えよ、問いかけよ―「出る杭人材」が日本を変える』
(黒川 清/著)
現在、日本が政治や経済、IT技術、産業、教育などの各分野で海外に差をつけられていることが明らかになりつつある。過去の大きな成功体験が障壁となり、欧米だけでなく、中国や台湾、韓国といったアジアの国々にも抜き去られているのが現状なのだ。そんな中で、今日本人や日本企業に求められる行動とは何なのか。
現在、日本が政治や経済、IT技術、産業、教育などの各分野で海外に差をつけられていることが明らかになりつつある。過去の大きな成功体験が障壁となり、欧米だけでなく、中国や台湾、韓国といったアジアの国々にも抜き去られているのが現状なのだ。そんな中で、今日本人や日本企業に求められる行動とは何なのか。
「子どもにはのびのびと育ってもらいたい」。世の中の多くの親たちはそう考えている。だが、子どものために良かれと思ってかけた言葉が、ときに子どもの自信を失わせたり、可能性を狭めてしまったりする。それほどまでに親の言葉は子どもに大きな影響を及ぼすのだ。それ故に、子育てに悩む人は多い。
近年「心理的安全性」という概念がビジネス界で注目を集めている。職場で個々の能力を引き出すためには心理的安全性が高い、すなわち「否定されない環境」が重要であるという指摘だが、実はこの心理的安全性は教育現場にも必要だという。子どもの自律性を育むには、心理的安全性と、自分自身を俯瞰的に捉える「メタ認知」が不可欠なのだ。
人生 100年時代と言われる現在、どんなビジネスパーソンも生涯新たな知識を学び続けることが必須となってきている。しかし、勉強をはじめても三日坊主で終わってしまう、インプットの効率が悪い…といった悩みを抱える方は多い。著者曰く、それは才能や能力のせいではなく、正しい「学び方」を知らないことが原因だ。
アメリカの名門・スタンフォード大学の中高一貫のオンラインハイスクールは、オンライン学校でありながら 2020年のアメリカの学校ランキングで1位になった。世界各国の中高生が在籍しているこの学校では、これまでの学校の定番であった「学年」や「時間割」などの仕組みを見直し、トレンドや科学に基づく学習法を取り入れているという。
日本人は、大学に入学した途端に勉強をしなくなるといわれるが、特にビジネス環境の変化が速くなり、かつ人生 100年時代と言われる昨今では、生涯新たな知識を学び続けることが避けられなくなってきている。つまりどのようなビジネスパーソンにとっても、学習への苦手意識や嫌悪感を早めに払拭しておくことが重要だ。
近年、企業環境が大きく変化するとともに、産業界に人材を供給する立場にある教育業界にも変革の波が押し寄せている。そんななか、生徒の「生きる力」を伸ばし、家庭環境にかかわらず 100%の大学進学実績を誇るユニークな学校「サミット・パブリック・スクール」が全米から注目を集めているという。
2011年に開始された、AIによる東大合格を目標にした通称「東ロボ」開発プロジェクトは、一定の成果をあげながらも、東大合格は厳しいとの結論に達しつつある。その要因が、AIの「読解力」だ。AIの自然言語処理技術は、統計と確率の手法に基づいており、文章の意味を本当には理解していない。それゆえ長文読解や図の理解が難しかったのだ。
成功者たちは家庭でどんな教育を受けてきたのか。親であれば誰もが気になるテーマだが、本書ではハーバード大学の学生・卒業生や親を含む成功者 200人余の調査から、その秘密に迫る。浮かび上がってきたのは、親の人種や学歴、経済事情にかかわらず、共通する親の役割だ。本書ではそれを「子育ての8つの公式(原則)」として明らかにする。
近年AIやロボットの発展は目覚ましく、5年後の未来すら予測しづらくなった。しかし教育においては、今の子供たちが活躍するであろう20年後を見据えて手を打たなければならない。英語やプログラミング教育の必要性も叫ばれているが、著者がAIに負けない人材に必要だと説くのは、新しいものを生み出す力、そしてそれを支える「試行錯誤力」だ。