
『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」』
(佐藤耕紀/著)
人生は、思考を巡らせて「こうしよう」と決める意思決定の連続である。そして、意思決定においては、ただ決めればよいのではなく「賢い判断」「正しい選択」が求められる。とはいえ、意思決定には大変な労力を使うため、つい感覚的に判断してしまったり、先入観に引っ張られてしまったりすることも多い。
人生は、思考を巡らせて「こうしよう」と決める意思決定の連続である。そして、意思決定においては、ただ決めればよいのではなく「賢い判断」「正しい選択」が求められる。とはいえ、意思決定には大変な労力を使うため、つい感覚的に判断してしまったり、先入観に引っ張られてしまったりすることも多い。
近年ネットやテレビで「論破王」として露出することが多い「ひろゆき」こと西村博之氏。実は自ら論破王と名乗ったことはなく、論破よりも、問題解決が得意だと自負しているという。本書は、大学受験からアルバイト、訴訟など自身が経験した様々な問題ををその問題解決能力で乗り切ってきた同氏の問題解決スキルを公開した一冊だ。
モノや情報があふれる現代社会では、「捨てる」ことのニーズが高まっている。「捨てるもの」の中には、物理的なモノだけでなく、時間や習慣、思考の癖、執着なども含まれるが、わかっていてもなかなかそれらを捨てられない人は多い。また、二者択一の場面でどちらかを捨てなければならないという決断に迫られることもあるはずだ。
時代の変化に応じて求められるスキルは変化するが、いつの時代も変わらず重要なのが、物事の本質を理解する力だ。相手の言っていることがわからなかったり、理解不足のまま行動して失敗したりした経験のある人は少なくないのではないだろうか。「1を聞いて 10を知る」タイプの察しの良い人になりたいと思う人も多いはずだ。
「読解力」というと、一般的にテキスト情報を読み解く力と考えられている。だが本書でいう読解力はそこにとどまらない。対象がテキストであれば文意を理解し、「行間を読む力」であり、対人コミュニケーションであれば、相手の主張や立場を理解し、相手の論理で考えるという「思考の幅」を持つことだという。
人生においてもビジネスにおいても、複眼的な視点と合理的な判断力が必要だ。だが、複眼的視点や判断力を養うには、あらゆる分野の知識や多様な経験が求められるため、日常生活の中でこれらを身につけていく備えることは容易ではない。そこで先人たちの経験や頭の中を知ることができれば、経験にかける時間をショートカットできるはずだ。
インターネットやSNSの発達によって、ビジネスパーソンを取り巻く情報の量は昔とは比べられないほど増えてきている。こうした状況においては、ノイズ(余分で価値がない情報)を除去しながら、何が価値ある情報かを見極める力、そしてそれらを咀嚼し、自らのビジネスや生活に活かすスキルが必要だ。
ビジネスシーンのみならず、政治、経済、科学、医療、世論など、様々な分野において「数字」は客観的事実であり、重要な判断基準とされている。だが人々が目にする統計調査やデータなどの数字には、すでに誰かの主観的な意図が入っていることもあれば、受け手が間違った解釈をしてしまうことも多い。
グローバル社会を席巻する GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)では、今でも年々成長を続けている。その背景にはイノベーションが生まれやすい企業文化「エンジニア思考」があるという。エンジニア思考とは、テクノロジー重視の態度ではなく、構築や創造、変革の文化を支えるエンジニア由来の考え方のことだ。
近年、ビジネス環境の不確実性が増し、データ分析やロジカルシンキングの限界が指摘されている。そうしたトレンドのなかで、アーティストやデザイナーの考え方をビジネスに取り入れようとする思考法である「デザイン思考」や「アート思考」、そして MFA(美術学修士)取得などが注目を集めている。