
『真説 老子―世界最古の処世・謀略の書』
(高橋健太郎/著)
孔子の教えと対比して語られることが多い『老子』。孔子が倫理や道徳といったリーダーとしての教えを説いた一方で、『老子』は「無為自然」「道」「知足」といった言葉に象徴されるように平和で深淵な哲学というイメージが強いが、実はそれは誤解であり、『老子』は「処世術・権謀術数の書」として理解できることをご存知だろうか。
孔子の教えと対比して語られることが多い『老子』。孔子が倫理や道徳といったリーダーとしての教えを説いた一方で、『老子』は「無為自然」「道」「知足」といった言葉に象徴されるように平和で深淵な哲学というイメージが強いが、実はそれは誤解であり、『老子』は「処世術・権謀術数の書」として理解できることをご存知だろうか。
儒家の祖である孔子が遺した『論語』は、2,000年以上にわたり、東アジア全域で読み継がれてきた。日本でも、聖徳太子が十七条憲法の冒頭で『論語』の一節を引用したのを皮切りに、上杉謙信、徳川家康、渋沢栄一など、多くの歴史上のリーダーたちの行動規範とされ、現代でも愛読書に挙げる経営者は多い。
「日本資本主義の父」渋沢栄一氏は、日本初の銀行である第一国立銀行(現在のみずほ銀行)をはじめ、生涯で約500社に及ぶ日本を代表する企業の設立に関わった。本書では氏が生涯を通じて目指した「企業の利潤と道徳を調和させる」という哲学が記されている。このビジネスにおける利益追求を「算盤(そろばん)」、仁義道徳を「論語」としてたとえたものが書名となっている。