先端科学

『流れといのち─万物の進化を支配するコンストラクタル法則』
(エイドリアン・ベジャン/著)

「生命(いのち)とは何か」、この根本的な問いに本書は答える。その答えを導くのが、著者のエイドリアン・ベジャン氏が1996年に発表した物理法則「コンストラクタル法則」だ。この法則は、生物・無生物とを問わず「すべてはより良く流れるかたちに進化する」ことを示したもので、発表後、分野を越えて衝撃を与え、今なお研究が進められている。

『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』
(小野 雅裕/著)

長年にわたり多くの人々を魅了し続ける「宇宙」。近年ではイーロン・マスクとジェフ・ベゾスという2人のカリスマ経営者が宇宙事業に進出したことも知られる。宇宙について思いめぐらす時に心の奥で湧き上がる「何か」のために、人類は技術を進歩させ、夢を追い続けてきた。本書は、そんな人類の宇宙への旅路の軌跡と未来を描いた一冊だ。

『サピエンス異変―新たな時代「人新世」の衝撃』
(ヴァイバー・クリガン=リード/著)

人類の身体は、数百万年の間ゆっくりと進化してきたが、産業革命以降の環境の変化によって急速な変化が起こっているという。特にここ数十年のデジタル革命による変化は急速で、私たちの身体は適応しきれずに様々な障害を起こしている。オフィスワークの増加による腰痛や、カロリーの過剰摂取による糖尿病患者の増加はそのわかりやすい例だ。

『日本人の9割が知らない遺伝の真実』
(安藤寿康/著)

「知能や学力は遺伝する」というと、生まれつきの才能で人生の有利不利が決まってしまうことに理不尽さを感じる方もいるかもしれない。だが、人間のほぼすべての能力において遺伝の影響が大きいことは、行動遺伝学の分野で科学的に実証されているという。だとすれば、より多くの人が幸福を感じられる社会をつくるためには、そうした研究結果をどう解釈し、活用すればよいのだろうか。

『ゲノム編集とは何か』
(小林雅一/著)

「ゲノム編集」というバイオテクノロジー領域の最先端技術をご存じだろうか。ゲノム編集とは、人間を含む生物の全遺伝情報を書き換える技術で、特に「クリスパー」と呼ばれる技術の登場により、この分野が熱い注目を集めている。それは、従来の「遺伝子組み換え」と比べて迅速かつ安価、かつ高い精度でゲノム編集を行うことができる驚異的なテクノロジーだ。

『ソーシャル物理学』
(アレックス・ペントランド/著)

人々の頭のなかにあるアイデア、そしてそれが具現化された行動は、どのように生まれ、どのように伝播するのか。もしその法則性がわかれば、個人や企業における生産性やクリエイティビティ改善にも生かすことができる。しかし、アンケート調査などの従来の社会学的アプローチでは質量ともにその本質に迫るのは難しかった。 GPSやウェアラブルデータなどのビッグデータの解析から、アイデアの流れ、ひいては人間行動の法則を明らかにする画期的な学問が「社会(ソーシャル)物理学」だ。本書は、個人から企業活動、都市計画や社会全体の設計まで、社会物理学の新たな成果を多数紹介した一冊である。

推薦者 村上憲郎
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『量子力学が語る世界像 ―重なり合う複数の過去と未来』
(和田純夫/著)

量子力学は、原子、電子などのミクロの世界を研究に端を発した力学分野である。そこで発見されたこれまでの物理常識とは異なる物質のふるまいは、現在では相対性理論とともに現代物理学の重要な基礎となっている。本書で解説される「多世界解釈」によれば、この世界には、いまも文字通り多数の世界が共存しているという。

『サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ』
(下條信輔/著)

本書では、知覚心理学、社会心理学、行動科学などの多分野にわたる実験結果から、「人は自分で思っているほど自分の心の動きを分かっていない」という人間科学のセントラル・ドグマ(中心教義)を解き明かしていく。認知的不協和やサブリミナル効果などの個人の認知といったテーマだけでなく、科学的推論に基づく未来の「人間観」までが提示されている。