先端科学

『日本人の9割が知らない遺伝の真実』
(安藤寿康/著)

「知能や学力は遺伝する」というと、生まれつきの才能で人生の有利不利が決まってしまうことに理不尽さを感じる方もいるかもしれない。だが、人間のほぼすべての能力において遺伝の影響が大きいことは、行動遺伝学の分野で科学的に実証されているという。だとすれば、より多くの人が幸福を感じられる社会をつくるためには、そうした研究結果をどう解釈し、活用すればよいのだろうか。

『ソーシャル物理学』
(アレックス・ペントランド/著)

人々の頭のなかにあるアイデア、そしてそれが具現化された行動は、どのように生まれ、どのように伝播するのか。もしその法則性がわかれば、個人や企業における生産性やクリエイティビティ改善にも生かすことができる。しかし、アンケート調査などの従来の社会学的アプローチでは質量ともにその本質に迫るのは難しかった。 GPSやウェアラブルデータなどのビッグデータの解析から、アイデアの流れ、ひいては人間行動の法則を明らかにする画期的な学問が「社会(ソーシャル)物理学」だ。本書は、個人から企業活動、都市計画や社会全体の設計まで、社会物理学の新たな成果を多数紹介した一冊である。

推薦者 村上憲郎
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『量子力学が語る世界像 ―重なり合う複数の過去と未来』
(和田純夫/著)

量子力学は、原子、電子などのミクロの世界を研究に端を発した力学分野である。そこで発見されたこれまでの物理常識とは異なる物質のふるまいは、現在では相対性理論とともに現代物理学の重要な基礎となっている。本書で解説される「多世界解釈」によれば、この世界には、いまも文字通り多数の世界が共存しているという。

『サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ』
(下條信輔/著)

本書では、知覚心理学、社会心理学、行動科学などの多分野にわたる実験結果から、「人は自分で思っているほど自分の心の動きを分かっていない」という人間科学のセントラル・ドグマ(中心教義)を解き明かしていく。認知的不協和やサブリミナル効果などの個人の認知といったテーマだけでなく、科学的推論に基づく未来の「人間観」までが提示されている。