書評『5年で売上2倍の経営計画をたてなさい』
(小山 昇/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
第1章 5年で売上2倍の「経営計画」を決定する
第2章 5年で売上2倍の「事業計画」を決定する
第3章 5年で売上2倍の「基本」を決定する
第4章 5年で売上2倍の「利益計画」を決定する
第5章 5年で売上2倍の「要員計画」を決定する
第6章 5年で売上2倍の「設備・資本計画」を決定する
著者:小山 昇
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービス・マーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して自身の会社を経営していたが、87年に株式会社武蔵野に復帰。89年より社長に就任して、現在に至る。2000年、10年に「日本経営品質賞」を受賞した。01年から同社の経営のしくみを紹介する「経営サポート事業」を展開。500社以上の会員企業を指導しているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回の講演・セミナーを開いている。

書評レビュー

中小企業のための「経営計画」のつくり方

今回ご紹介するのは、中小企業を対象とした経営論やマネジメントについての著書を多数執筆している株式会社武蔵野の社長「小山昇」氏による、企業の成長を加速させる「経営計画」の策定方法を解説した一冊です。

著者の「小山昇」氏が社長を務める武蔵野は、著者の今までの経営者としての知見を活かし、中小企業を対象とした経営コンサルティングを行っていることで有名です。

著者自身も、「絶対に会社を潰さない社長の時間術」をはじめとする、経営者としての心構えやノウハウに関する著書を多数執筆し、全国で経営者向けのセミナーを開催するなど、自信の経営ノウハウを伝えようと精力的に活動している人物です。

その著者が今回題材として取り上げたのは、企業経営の根幹をなす「経営計画」についてです。

本書では、著者の今までの経験に裏打ちされた持論をベースに、「経営計画」策定の重要性から始まり、実際に「経営計画」でどのような項目をどのような視点で決定すべきなのか(利益計画、人員計画、設備投資計画など)を分かりやすく解説しています。

なぜ「長期」経営計画が必要なのか?

本書の特徴は、5年間にわたる「長期」経営計画の策定にフォーカスを当てている点にあります。通常、日本の上場企業では、3年間スパンで中期経営計画を立て、直近の1年間を毎年ローリングしていくのが一般的です。

非上場企業では、1年間スパンで経営計画を立てる会社も珍しくありません。一方で筆者は、5年スパンの「長期」経営計画を策定することの重要性を解いています。

『経営とは、「目先」のことにとらわれるのではなく、「長期的な視点で考えること」です。「半年後、1年後、5年後にどうなっているべきか」を長期的に考え、今すべきことを決定するのが、経営の判断としては正しいのです。』
『長期事業計画をつくる理由は、「今日すべきこと」が明確になるためです。「5年で売上2倍」の長期事業計画をたてることで、「今なにをすべきか」が明確になります。』

長期経営計画を策定するにあたっては、「現在」と「未来」のビジネスモデルや収益の分析を行う必要がありますので、結果として、「今なにをすべきか」が分かるということなのでしょう。

また、この長期経営計画策定の利点の1つとしては、経営者が長期的視点をもつことで、企業の業績に影響を与える外部環境(筆者は「時代」と呼んでいますが)の変化に対してアンテナを張る意識付けができることが挙げられるのではないでしょうか。

さらにグローバリゼーションをはじめとする様々な要因によって外部環境の変化のスピードが速くなっています。現代において、このアンテナを張る意識付けができていないと、自社の製品・サービスの陳腐化に対応できず、業績の悪化に直結するのではないでしょうか。

著者も「私が東奔西走していた時期は、経営を長期的に考え、かつ世の中の変化を予測して対策をとる作業の連続だった」という主旨を語っています。

まとめと感想

経営者はもちろんですが、会社員も「経営」層に近づけば近づくほど、ビジネスの根幹である経営計画の策定を避けて通ることはできません。

一方で、具体的に何を、どう決めればいいのかわからない、という声を聴くことも多いのも事実です。本書では、経営計画で決めるべき項目について、それぞれの項目の必要性や策定にあたっての留意事項が整理して解説されています。

本書は、主に中小企業を対象としている一冊ではありますが、「計画」のエッセンスは企業の大小で変わるものではないと思いますので、経営計画の策定に当たっては、まず本書を参考にされてはいかがでしょうか。

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