書評『会社に入ったら三年間は「はい」と答えなさい』
(園部貴弘/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
第1章 この会社で勤め上げる決意を持て
第2章 中小企業で働くということ
第3章 入社三年目までにすべきこと
第4章 30歳までに一人前になる
第5章 サラリーマンとして生きるということ
著者:園部 貴弘
 日本経営合理化協会 教育部次長
1971年京都府生まれ。名古屋商科大学卒業後、中小・オーナー企業の経営指導機関の日本経営合理化協会に入社。理事長・牟田學の薫陶を受けながら、約20年にわたって中小企業向けの教材製作・勉強会企画を数多く手がけ、今までに2000人以上の新入社員教育に携わっている。同協会AV局、企画部課長、教育部課長を歴任。多くの経営者・一流コンサルタント・士業・専門家と親交を持つ。現在、教育部次長として人材教育のコンサルティングのほか、企業内研修や教育プランの指導などを行っている。

書評レビュー

サラリーマンが、サラリーマンとして幸せに生きるために

本書は、中小企業のコンサルタントとして働く著者が、サラリーマンとして、普通だけどちょっと上の生活を目指す為の生き方を伝える一冊。

「まず最初に、読者の皆さんに断っておくことがあります。本書は、年収一億円のトップサラリーマンやベンチャー起業など、華やかな夢物語を実現するための内容になっていません。普通の人がささやかな夢を実現するための手ほどきについて触れています。」

このような目を引く書き出しから始まる本書は、料理店を営む家に生まれ育ち、同族経営の中小企業に勤めるいちコンサルタントとして、これまで300社にわたる中小企業の人材育成の現場に立ち会って来た園部氏によるものです。

同氏は、中小企業は仕事の成果が給料や処遇にすぐ反映され、また若い頃から責任のある立場に抜擢される機会に恵まれるなど、総じて魅力・やりがいがあり、幸せをつかみやすい場所だといいます。

その幸せをつかむためには、確実に成果を出せる力を早いうちに身につけなければいけないのですが、一方、著者は「世の中に中小企業で働くことについて教えてくれる書籍がほとんどない」ことに気がつきました。

そこで本書は、サラリーマンの9割に該当するといわれる中小企業に勤める方達が、普通よりちょっと頑張って、普通よりちょっといい収入を得て、普通よりちょっと幸せになるため、すなわち「サラリーマンとして幸せに生きていく」ための、心構えから具体的な方法までを網羅した内容となっています。

三年間はすべて「はい」と答えなさい

本書評では、50以上にも及ぶ本書内のテーマより、タイトルにもされている“三年間はすべて「はい」と答えなさい”をご紹介します。

実家が歴史ある料理店だという著者は、幼い頃から親の言うことは絶対と教え込まれ育ったといいます。そして就職するにあたって、父親からは「入社したら三年間は、すべて『はい』と答えろ」と言われたそうです。

そうした教えにまったく違和感がなかったのは、実家で見てきたことが大きいといいます。すなわち、中学卒などの若い人が店に入って来たときにもまったく同じことが教えられており、言われたことを「はい」と答えてきちんとやっていた人が、最後は立派な料理人になっていくのを何度も見てきたのです。

ここから、仕事には我慢を重ね、言われたことは有無を言わずにやり抜く一定の期間が必要であり、また雑用といった仕事をやっている時期に、どれだけ素直に教えに従って働くことができるかが問われているとしています。

『社会人になって基礎を築く最初の三年間を、「つまらない」「面倒だ」「なんでこんなことをしなければいけないのか?」と思って過ごしているようでは、仕事の楽しさを理解できる日は来ないだろう。そしてこの先いくら仕事を続けても、一流と呼ばれるレベルに達することも、まずないのである。』

まとめと感想

本書では、上述した項目の他にも、転職や起業などの一足飛びのチャレンジではなく、今この職場で実直に働いていくための、直ぐに活用出来るきわめて実践的なノウハウが語られています。

著者は中小企業で働く人達に向けた書籍であると述べてはいますが、その内容は「入社三年目までにすべきこと」「30歳までに一人前になる」など、企業規模に関わらず、すべてのビジネスパーソンが共通して着目すべき内容となっています。

日々、地に足をつけながら着実に前進していきたい、と願う方々にお薦めしたい一冊です。ぜひ手に取ってご一読下さい。

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