書評『失敗しないとわかっていたら、どんなことをしてみたい?』
(ジョン・C・マクスウェル/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
【序章】
【第1章】謙虚であること
【第2章】現実を見ること
【第3章】責任を負うこと
【第4章】向上心を持つこと
【第5章】期待すること
【第6章】学習能力を高めること
【第7章】逆境を恐れないこと
【第8章】難問を恐れないこと
【第9章】不遇を受け入れること
【第10章】変化を受け入れること
【第11章】成熟すること
【終章】学ぶことはすべてである
著者:ジョン C. マクスウェル
 1947年生まれ。リーダーシップの世界的権威、「世界一のメンター」として知られる。人材育成・組織開発を行うインジョイ・グループなどを主宰。フォーチュン500の有力企業、陸軍士官学校(ウエスト・ポイント)など、ビジネス、軍、政治、スポーツ、国際協力をはじめ、あらゆる分野から絶大な信頼と人気を得ている。『あなたがリーダーに生まれ変わるとき』(ダイヤモンド社)、『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』『その他大勢から抜け出す成功法則』(いずれも、三笠書房)など、70冊以上の著書があり、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者として知られる。

書評レビュー

「世界一のメンター」が解き明かす「成功の法則」

本書はリーダーシップ論の世界的権威であり、その実績から「世界一のメンター」と呼ばれている「ジョン C. マクスウェル」の最新作。「失敗」から学び、最後に「成功」するための法則を解き明かした一冊です。

著者の「ジョン・C・マクスウェル」氏は、リーダーシップ論などに関する著書を数多く執筆しており、その著書を合計すると全世界累計で1,800万部を超えるという「リーダーシップ論の世界的権威」です。

また、その能力開発の手腕が高く評価され、アメリカ元大統領をはじめとする、世界中のビジネスリーダーやアスリートのメンターを務めた経験から、「世界一のメンター」とも呼ばれています。

そんな著書が今回テーマとして選んだのは、「失敗を乗り越え最後に成功にたどりつくにはどうすればいいのか」、つまり、「最後に成功する人の法則」となっています。

数多くのいわゆる「人生の成功者」と呼ばれる人々のメンターを務めた経験をもつ著者は、この「成功者」たちも、「成功」よりも「失敗」を数多く経験していることに気が付きました。

「失敗から学ぶ」とはよく耳にする言葉ですが、これは「成功者」でも例外ではなかったそうです。そして、この「成功者」には、ある共通点がありました。

彼らは他の人と比較して「失敗」から学ぼうという姿勢と、「失敗」からくる失望感(ロス)をうまくあしらう能力が強かったのです。

学ぶことよりも勝つことを優先する人の人生は、困難なものとなる

わたしたちが生きていくうえで「成功」したいと願うのは、自然な欲求と言えるでしょう。もっとも、経験上、「成功した」と思うことよりも「失敗した」と思うことの方が多いではないでしょうか。これを受けて、著者は次のように述べています。

『自殺やアルコール依存症、ある種の神経衰弱が増え続けていることは、失敗に向けて訓練すべき時に、成功に向けて訓練している人が多い証拠だ。成功よりもはるかに失敗の方がよくあることで、富よりも貧困のほうがありふれていて、達成感よりも失望感のほうが普通なのに。』

これは『みな「失敗」をするのだから諦めることを学びなさい』と言っているのではありません。

「成功」よりも「失敗」することの方が多いなかで、それを受け入れず「成功」することだけを考えてしまうと、「失敗できない」という強迫観念を常に抱えながら生きていかなければならなくなる、と述べているのです。

つまり、「失敗」は起こるものとして受けいれながら、そこから得られる学びや気づきを最大限活かすことで、結果として、自分の能力を高め、「成功」を収めることができると著者は述べています。

また、著者は「成功から得られる知恵はあまりない」として、アメリカホワイトハウスの大統領補佐官が「人生で大きな失望を味わったことのない人間は、大統領への助言に必要な成熟が足りないので採用しない」と述べたエピソードを引き合いにだし、「失敗」から得られる成熟の重要性を説いています。

まとめと感想

本書では、著者のメンターとしての知見や成功者の体験などを交えながら、「失敗」から得られる学びを最大限活用するための11の法則が紹介されています。

また、「元祖プロ・コーチが教える 育てる技術」の著者であるジョン・ウッデン氏の本書へのメッセージの中で「この本から私たちが受け取るのは、希望という贈りものである」とあるように、本書で紹介されている法則は単なる表面的な自己啓発テクニックではありません。

「世界的なメンター」と呼ばれる著者だけに、その内容は、人間の内面にフォーカスをあてた示唆に富んだものばかりですので、ぜひ一度手に取ってみてください。

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