書評『才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~』
(ケン・ロビンソン、ルー・アロニカ/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
はじめに : 「エレメント」とは何か?
Chapter 1 : エレメントを見つける
Chapter 2 : 何が「できる」のか?
Chapter 3 : 自分の中を掘る
Chapter 4 : 何が「好き」なのか?
Chapter 5 : 何をすると「幸せ」か?
Chapter 6 : 世界との「接し方」を変える
Chapter 7 : 「現状」を正確に知る
Chapter 8 : 「同族」を探す
Chapter 9 : 次はどうする?
Chapter 10 : 足を踏みだす

著者:ケン・ロビンソン(Sir Ken Robinson, Ph.D.)
1950年生まれ。英国ウォーリック大学で教育学教授を12年間務め、現在は名誉教授。英国「創造的教育・文化教育諮問委員会」委員長、シンガポール政府顧問を歴任、北アイルランドの和平プロセスの一環として創造性、経済開発の戦略策定をするなど、創造性とイノベーション、能力開発に関して世界的に活動している。
TEDで行ったプレゼン「学校教育は創造性を殺してしまっている」はTED史上最多の再生回数となるなど、その他の自らのTEDトークとあわせ、150ヶ国、推定2億人に視聴されている。
前作『才能を引き出すエレメントの法則』(ルー・アロニカとの共著)は世界23ヶ国刊行のベストセラーとなっている。
米国ロサンゼルス在住。2013年「Thinkers 50(世界の経営思想家トップ50)」選出。

著者:ルー・アロニカ
1958年生まれ。編集者を経て作家。著書、共著にベストセラー多数。米国コネチカット在住

書評レビュー

能力開発の世界的メンター「ケン・ロビンソン」

本書は、TEDトークで再生回数ダントツ1位を記録し、「Thinkers 50(世界の経営思想家トップ50)」にも選ばれた著者が「才能」と「情熱」の見つけ方と活かし方を解き明かした一冊です。

著者である「ケン・ロビンソン」氏は、能力開発の世界的指導者であり、その優れた理論・手法が評価され、世界で最も優れた経営思想家を決める「Thinkers 50」に選ばれた人物です。

その影響力は計り知れず、TEDトークで行った著者のプレゼンテーションは、スティーブ・ジョブズなどグローバルリーダー達のプレゼンテーションを大きく上回る、視聴回数2,000万回超とTEDトーク最高の数値を叩き出しています。

そんな著者の能力開発のポイントは、「才能」と「情熱」が出会う(発揮される)場所、「エレメント」を重視しているところです。

自分のエレメントを見つける

「自分には何ができるのか」、「自分は何がやりたいのか」…。これは、ビジネスシーンに限らず、誰もが生きていく上で一度は考えることではないでしょうか。

そして、なかなか自分では答えが出せず、時が過ぎていくことに焦り、思考の負のスパイラルに陥っている方も多いのではないかと思います。

ある時、著者は、人生の成功者と言われる人には共通点があることを見つけ出しました。それは、成功者がみな「エレメント」と呼ばれる「才能」と「情熱」が出会う場所を持っているというものです。

そこで、著者は、「才能(自分には何ができるのか)」と「情熱(自分は何がやりたいのか)」を自分自身で探す(分析する)ことで、各自の能力を最大限に発揮するプログラムを編み出したのです。

自分の「エレメント」を知るには、まずは自分自身を深く知る必要があるのですが、今回はこの「エレメント」探しのベースとなる三原則をご紹介します。

原則1:自分の人生は唯一無二である
自分の決断とまわりの人の決断の積み重ねが、あなたがどの道に進んでいくか、あるいは進まないかに大きな影響を与えているのだ。
原則2:人は「自分自身の人生」を創造している
あなたは自分の世界観、態度によって人生を創造している。人間としてあなたは多くの選択肢を持っていて、想像と創造性はワンセットだ。
原則3:人生は「生きもの」である
私の人生はあなたの人生と同じく、一つには自分の興味と個性、一つには環境と機会の絶えざる突発的出来事のプロセスである。一つがもう一方に影響を与える。

つまり、自分の「才能」や「情熱」を見つけるには、自分の人生は自分自身が決めるという強い意志と主体性が絶対に必要であり、これができて初めて、我々は自分自身の「エレメント」に向き合うことができるようになると著者は述べているのです。

まとめと感想

本書は、より効率的な「エレメント」探しのために、著者が能力開発に使用しているエクササイズや質問が多数収録された実践的な内容になっています。

また、実際に著者の指導を受けた人々の事例を紹介しながらプログラムの効果を解説するなど、読者の理解が進むような工夫もなされています。

著者の指導方法は、「7つの習慣」のスティーブン・R・コヴィーや「モチベーション3.0」のダニエル・ピンクといった能力開発の著名人からも支持されていますので、両氏の著書と併せて読めば、より一層の効果がでるのではないでしょうか。

全てのビジネスパーソンに参考となる一冊ですが、特に、転職や起業などのシーンで、自身の「才能」と「情熱」の活かし方に悩まれている皆さんにお薦めの内容となっています。

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