書評『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』
(大城 太/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
少し長いプロローグ―華僑の何がすごいのか
第1章 失敗という言葉のない「仕事の進め方」
第2章 すべてをビジネスに活かす「コミュニケーション術」
第3章 基本は人間関係!人脈作りと人づき合いの極意
第4章 大きく違う「お金」に対する考え方
第5章 非常識かつ合理的な「時間」の使いこなし方
著者:大城 太
 複数の会社経営を行うかたわら、社団法人理事長、ベンチャー企業への投資を行っているビジネスオーナー。外資系保険会社、歯科用医療機器に勤めた遅刻の常習犯、成績はイマイチというダメサラリーマンが一念発起して独立するにあたり、華僑社会で知らない者はいないと言われる大物華僑に師事。不良債権の回収や、リヤカーでの物売り等の過酷な修行を積み、日本人で唯一の弟子として「門外不出」の成功術を直伝される。独立後、社長1人アルバイト1人の医療機器販売会社を設立し、初年度より年商1億円を稼ぎ出す。現在は「華僑の教え」を受けた第一人者として、一生お金に困らない思考と行動法則を体系化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

書評レビュー

常識の真逆をいく「華僑」の教え

「華僑のビジネスマン」といえば、どのような姿が思い浮かびますか?異郷の地で現地に根付き、仲間同士の結束を守りビジネスを拡大させる…、ちょっとマフィアっぽい姿がイメージされるのではないでしょうか?

本書はそんなイメージ通りの華僑の大物に弟子入りし、華僑ならではのビジネスノウハウを叩き込まれ、医療機器販売会社を起業して成功したという著者が「華僑流」の思考法則をまとめたものです。

すぐに読めるノウハウ集ですが、一貫してスピード感や合理性が感じられ、華僑独自のビジネスやお金に対する考え方が学べる一冊です。この書評ではそれらの「華僑の教え」から、いわゆる常識と真逆の考えをいくつか紹介します。

1:華僑のビジネスには失敗がない

華僑は「失敗」に対してこのように考えるそうです。

『「うまくいかなかったとしても失うのはお金だけ。勇気を失わなければ失敗ではない」

お金儲けに長けた華僑といえども、誰もやったことのない、もしくは実証データが乏しいビジネスへの挑戦はやはりハイリスクです。日本人と違うのは、華僑が機動力に優れている点です。』

華僑は「判断の遅れが致命傷になる」と、まず動く。それで失敗しても「失敗する方法論」を手に入れて利用する不屈の商魂すら感じます。

2:できない人も歓迎する

華僑は基本的に個人の能力を重視しますが、意外にも仕事の能力が低い人を雇うこともあります。

その理由について著者は師匠にこのように言われたそうです。

『「ダイ君(※著者)、代理店の全国展開が順調ですね。僕の弟子の中では一番の出世頭ですね。でもダイ君が輝いているのは、ほかの人たちのおかげ。よくミスをするあの人、仕事のできないあの人がいるから、アナタが輝く。覚えておきなさい」』

つまり、トップの人は、その他大勢がいたからこそトップになることができた(できない人ができる人を伸ばしている)ということです。

「仕事ができない」という人は「仕事ができない」という「仕事」ができる、と捉えているそうですが面白い考え方だと思います。

3:利益は目先のお金だけではない

こちらは「顧客」の考え方について述べたものですが、華僑のボス曰く「日本人は目先のお金しか見えていない」そうです。

対して華僑は、顧客生涯価値(顧客が今使っているお金、プラス将来使ってくれるであろうお金)と、さらに加えてその人の「人間関係」にも着目しているそうです。

「華僑流では個人のみならずその人の『つながり』を含めた価値を重視します。つまり、友だちが4人いる人であればその4人プラス本人、計5人の価値で「華僑的顧客生涯価値」が決まるのです。』

4:嫌いな人間にこそ接近する

華僑社会でのコミュニケーションでは、「食事」をともにすることが必須といいますが、彼らは大勢での食事会を催すとき、わざわざ自分から嫌いな人にも声をかけるそうです。

それはなぜでしょうか。以下のように書かれています。

「嫌いな人を遠ざけると、考え方も情報も偏る。偏りは判断ミスになる。だから嫌いな人ほどつき合う価値がある。嫌い=価値観が違うということは、自分にない考え方や、自分のもとへは集まってこない情報の宝庫であるとも言えます。

つまり、嫌いな人から得られるものは自分に欠けているもの。偏りや欠乏と言えば
栄養素を思い起こしますが、まさに足りない栄養素を補うために嫌いな人ともつき合
おうという発想なのです」

好き嫌いよりもビジネス判断の精度を優先するという考え方で、一理あると思いました。

いかがでしたでしょうか、本書では上記のような華僑ならでの教えが、「仕事」「コミュニケーション」「お金」「時間」などの項目で50近く紹介されています。シンプルで合理的な考え方を取り入れたい方には参考になると思います。

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