書評『プロフェッショナル ミリオネア』
(江上 治/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
第1章 考える、失敗を積む
第2章 学ぶ、人にあげてもらう
第3章 己を知る、強みに気づく
第4章 さらけ出す、信頼を得る
第5章 捨てる、決断する
第6章 運をつかむ、分かち合う
著者:江上 治
株式会社オフィシャル 代表取締役 / 1億円倶楽部 主幹。1967年、熊本県天草市生まれ。有名プロスポーツ選手から経営者まで、年収1億円超えのクライアントを50名以上抱える富裕層専門のカリスマファイナンシャルプランナー。サラリーマン時代には大手損害保険会社、生命保険会社の代理店支援営業における新規開拓分野および売上達成率で、全国1位を4回受賞。同時に、自身が所属した組織はすべて、全国トップの成果を達成。損保会社では最短、最年少でマネジャーに昇格。生保会社でも最短でのマネジャー昇格を果たす。
独立後は、保険営業を中心としたFP事務所を設立。人脈ゼロ、資金ゼロから1000名を超える顧客を開拓し、これまでに通算600億円の保険契約を獲得。コミッションは創業3年で業界平均の約5倍、社員3名で1億円を超え、いまもなお記録更新中。指導した部下は全国7万人のセールスのなかでベスト5に2回入賞。中小企業コンサル業務を展開し、サポートした企業の売上が1年で8倍増になるなどの成果をあげている。
著書にベストセラーとなった『年収1億円思考』をはじめ、『年収1億円人生計画』『年収1億円手帳』(いずれも経済界)の「年収1億円」シリーズがある。

書評レビュー

年収1億円以上の富裕層に共通する思考

本書は、50人以上の年収1億円以上のクライアントを持つ、富裕層専門のフィナンシャルプランナー江上治氏が、彼らの思考の共通点から60の教えを抽出した本です。著者は、年収2,000万前後と、1億円では、同じ高給取りといっても思考なども次元が違うといいます。

本書の特長としては、実名をあげて、年収1億円超の社長の教えが随所に書かれているところではないでしょうか。特に美容サロンのフランチャイズ大手である、アースホールディングスの國分社長(年収4億円!)の教えが多く説かれています。この書評ではいくつかをピックアップしてご紹介します。

1.「〇」か「×」かで決めて、行動する習慣を身につける

まず、富裕層の決断力についてです。富裕層は中途半端に決断を伸ばさないといいます。「やる」「やらない」、「〇」か「×」で即断即決する習慣を身につけることが、成功への第一歩なのです。

國分社長が社員にいつも話しているのが、「〇か×以外の答えを出すな」ということだ。「〇」か「×」で答えるとは、「はい」か「いいえ」で答えるということだ。

それに対して、「どちらでもいい」という「△」の答えがある。この△というのが、成長の目を摘んでしまうやっかいな代物なのである。△で答え続けていくと、結果も△にしかならない。

2.人からだけでなく、本からも学ぶ

年収1億円以上の方に読書家が多いという点についても触れられています。

「イマジンプラスの笹川社長は、たいへんな読書家でもある。笹川社長は忙しい仕事の合間を縫って、なんと年間300冊もの本を読んでいる。(中略)しかも、いろいろな分野の本を読む。若い人が好むような本も読むし、話題の本はもちろん読む。」

また、もう一人紹介されています。年収が1億7千万もある医療法人理事長ということですが、こちらはかなり特長のある読書法です。

Y理事長は、年間200冊の本を買って、そのうち100冊を読む。このとき、200冊買ったうちの、100冊は読まないというのがポイントである。つまり、買ったけれど、読む気になれない本はどんどん捨てて、残りの100冊だけをしっかりと読む。

ちなみに、両社長とも、多読するだけでなく、読書法にも独自のひと工夫をされています、例えば下記のようなものです。「読書記録をつける」「本を読んだら必ずひとつ実践する」、ただ漠然と読むのではなく、目的をもって読むことも、大きな差につながってくるのです。

3.人生における「基準値」を持つ

著者がとてつもない報酬を得る人の共通点として、「基準値が高い」という点も紹介されています。では、「基準値」とはなんでしょうか。次のように定義されています。

「基準値」とは、一言でいえば、物心がつく幼少期から、社会に出て一人前になるまでの間に形作られる価値観のことだ。たとえば、「社会の役に立つ」「はじめたことは最後までやりとおす」「他人に依存しない人間になる」といった価値観はすべて人生の基準値といっていい。

それゆえ、このような基準値を体に刻み込んでくれる親や教師、そして上司に巡り合えるかが大切になってくるのです。

4.浮足立っているときに、止めてくれる人をもつ

調子のいい時こそ、足元を見直す時である、と言いますが、そのような人がそばにいるかいないかが明暗を分けるときがあります。

このことを私に教えてくれたのは、島根県で四つの会社を経営している経営者だ。その人は「人は二つのタイプに分類できる」といった。

「言葉は優しいが、行動が冷たい人」「言葉は厳しいが、行動が優しい人」あなたは、どちらのタイプの人を信頼し、アドバイスに耳を傾けるだろうか。

著者は、アドバイスはただ求めるものではなく、相手に貢献した結果得らるものだと説きます。まだ自分が未熟で相手に具体的なメリットを提供できないのであれば、相手のために一生懸命仕事をすることも立派な貢献となります。

5.胸を貸す度量を持ち、「横綱」になる

50歳までには横綱のようになっておきなさい」と助言してくれた顧客がいた。ここでいう横綱とは、最も強く優れた者という意味ではなく、「相手に胸を貸すことのできる存在」である。

「横綱」という喩えが面白いと思いますが、実際に「横綱相撲は受けて勝つ」というように、自分が練習台となって、後輩を強くするのが、相撲の横綱です。ある程度の成功をおさめたら、次は周りの人たちを勝たせる、という思考を持つことの重要性を伝えています。

いかがでしたでしょうか?5つほどエピソードを紹介しましたが、どれも世の中で多く言われていることだと思います。ただし、それを年収1億円プレイヤーは確実に実践しています。結局、その徹底ぶりが大きな差になってあらわれるのです。

年収アップという観点だけでなく、「成功した経営者」の視点が書かれている本ですので、「経営者本」としても参考になる内容です。

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