書評『営業ならもっと数字で考えなきゃ! 黒字営業マンの言葉 赤字営業マンの発想』
(香川晋平/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
第1章:今日パン焼いて、明日バター塗るつもりか?
~営業の心構えを身につける8つの言葉~
第2章:B型だけ狙って刺す蚊が、どこにおんねん?
~ターゲット客にアプローチする10の言葉~
第3章:鈴木のあだ名が田中みたいな話するな!
~お客様に興味を持たせる13の言葉~
第4章:浮いたお金で「叙々苑」に行けますやん!
~お客様に買ってもらう12の言葉~
第5章:ソースではアカン、ポン酢になれよ。
~お客様にリピート・紹介してもらう8の言葉~
参考文献
著者:香川晋平
 公認会計士・税理士。大手監査法人在籍時から、自費でビジネススクールに通い、30歳でリフォームの株式会社オンテックスに入社。「従業員1人あたりの会計データ」を導入し、従業員の生産性を向上。入社後、わずか90日で経営管理本部取締役に就任、在任2年間の累計利益は業種別ダントツNo.1となった。その後、5期連続50%超増収のベンチャー企業や、従業員平均年収1000万円超の少数精鋭企業などの会計顧問をし、数社の非常勤役員も務める。

書評レビュー

多くの営業マンは数字で考えているつもりになっているだけ

本日ご紹介するのは、公認会計士である著者が、営業マンが最終的な数値目標を達成するためのヒントを商売上手な「ナニワの商人」達から聴き集めた一冊です。

“「まいど!また本書いたりして忙しいみたいやね?儲かってしゃあないんとちゃうの?」
「まぁボチボチやってますわ」”

関西出身であり、「数字で考えなきゃ!」シリーズも人気となっている著者の香川晋平氏は、ある日、友人との日常的なあいさつ(上記)を聴いていたS氏より、シリーズ次回作について「商売上手が多い関西人の格言を集めた”営業”の書籍」を提案されます。

著者は、営業担当であれば「数字で考える」ことは当然だろうと考えていたとのことですが、S氏から次のように言われ、著書の執筆に踏み切ったといいます。

「ダメな営業マンは、その数字を意識するだけで終わります。(中略)一方のデキる営業マンは、目標を達成するために、売上に至るまでの営業プロセスを分解して、どのプロセスに問題があるのかを、数字を使って分析しています。

そして、問題のあるプロセスの質を改善して、売上目標を達成しているんです。(中略)本当の意味で数字を理解しているのは、一部の営業マンだけではないでしょうか」

そこで著者はまず、「営業」を、業種を問わず共通する、下記4つのプロセスに分解しています。

1.見込客にアプローチする
2.アプローチした見込客に興味を持っていただく
3.興味を持っていただいた見込客に買っていただく
4.買っていただいたお客様にリピートしてもらう

そして、これらそれぞれのプロセスを改善する考え方やスキルについて、トップセールスとして活躍する「ナニワの商人」達から学んだ極意を、関西人独特のユーモアある51のフレーズにまとめ上げたのが本書となります。

「お客さんにはな、6つの顔があるねんで」

その中の1つ、「2. アプローチした見込客に興味を持っていただく」の1フレーズに「お客さんにはな、6つの顔があるねんで。」というものがあります。

ここでいう「6つの顔」とは、アプローチし、営業を受けたお客様の6つの反応を示しています。

つまり商品やサービスを売り込もうとするとき、相手の反応は「6つパターン」のどれかに必ず当てはまり、売れる営業はそれぞれの反応に応じて対応を変えることで次のステップに進みやすくしているのです。

6つの反応とは以下の通りですが、営業経験者であればなるほどと思えるのではないでしょうか。

1.無愛想
2.無関心
3.懐疑的
4.興味津々
5.優柔不断
6.不平不満

詳細は本書に譲りますが、反応の裏にある顧客の心理状態として、1.無愛想=「他の営業マンにガッカリさせられたことがあり、無愛想にふるまう」、2.無関心=「営業マンが売ろうとするのは、いらないものばかりと信じて疑わない」など、その対応とあわせ、詳細に説明されています。

まとめと感想

本書では他にも「草野球にスランプもくそもあるかいな!」「今日パン焼いて、明日バター塗るつもりか?」など、ぱっと見では意味がわからなくとも、内容を読むと思わず膝を叩きたくなる(もしくは思わず「にやり」としてしまう)ような、関西弁ならではの名フレーズを通じて営業の極意を学ぶことが出来ます。

営業担当者の方々が、これまでの書籍とは異なるユニークなアプローチによって、自身のスタイルの見直し、日々の行動改善までをカバーできる一冊です。

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