書評『「営業の仕事」についてきれいごと抜きでお話しします』
(川田 修/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
1 営業は「つらい仕事」なのか
2 営業の仕事の「イメージ」と「現実」
3 営業の「向き・不向き」について
4 営業の仕事に就く前に知っておくこと
5 「新人だからできること」がこれだけある
6 ノルマ(目標)とどう向き合うか
7 お客様から信頼されるために
8 うまくいかないときに何を考えるか
あとがきにかえて―営業という仕事が生む「奇跡」とは
著者:川田 修
 プルデンシャル生命保険株式会社エグゼクティブ・ライフプランナー。1966年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。89年株式会社リクルート入社。入社から退職までの96カ月のうち、月間目標を95カ月達成。97年プルデンシャル生命保険株式会社入社。2001年度に営業職の最高峰であるエグゼクティブ・ライフプランナーに昇格し、全国約2000人中の1位の営業成績を達成する。現在は営業の仕事のかたわら、「本当の顧客満足とは」「お客様に感動を与える営業」をテーマとした企業への講演など、多彩な活動を行なう。

書評レビュー

外資系生命保険会社のトップ営業マンが説く「営業」のすすめ

今回ご紹介するのは、プルデンシャル生命営業マン2,000人のトップに立った著者が、自身の豊富な経験を踏まえて「営業」の本質と「営業」に必要な心構えを説いた一冊。著者は、外資系生命保険会社プルデンシャル生命のエグゼクティブ・ライフプランナーとして活躍している人物。

また、その卓越した営業手腕により、プルデンシャル生命の全営業マン2,000人のトップに立った経験をもつ、「営業のプロ」と言っても過言ではない人物でもあります。

そんな著者が今回本書で語るのは、営業成績向上のための小手先・上辺だけのテクニックではなく、「営業」という仕事の本質を理解した上で、「営業」のシビアな現実といかに向かい合っていくか、というものでした。

実際、著者は、本書のまえがきにおいて、「営業は、楽な仕事ではありません。」と言い切っています。

しかし、それでいてなお、著者はすべてのビジネスパーソンに対して「一度は営業の仕事を経験しておくといい」と述べています。

それは、「営業」は、単に何かを「売る」という行為ではなく、商品やサービスを支えるクライアントやユーザーと接することを通じて様々な価値を産み出す、とても貴重なチャンスを与えてくれるものだからです。

『これから先、世の中が変わっていけば、なくなっていく職業もあるでしょう。でも、そこに人がいる限り、何かを売る仕事がなくなることはあり得ません。

人によって営業職の向き不向きはあるかもしれませんが、お客様のニーズを感じ取る力や、そのためのコミュニケーション能力といった営業的なスキルやものの考え方は、社会人にとって誰もが必ず必要なものだと思います。(中略)そう考えると、営業という職業は究極の「手に職」なのです。』

ノルマとどう向き合うか

また、「営業」の厳しさと聞いて、皆さんがまっさきに思い浮かべるのは、営業マンの力量にも直結する「ノルマ」ではないでしょうか。

著者は、営業を始めて数年のうちは、まずはとことん「数値」にこだわるべきだと述べています。前職も含め、営業畑を何十年も歩んできた著者だけに、この「数値」にこだわることを多くの方がツラいと考えることは理解しています。

しかし、「数値」にこだわることを「自分のベストを尽くす」ことだと置き換えてみてはどうでしょうか?

シンプルに目標に向けて努力することは多くの皆さんも経験していることですし、むしろ明確な目標がある方がいい結果も出ることも実感としてお持ちだと思います。

もっとも、むしゃらに「数値」にこだわった結果、多くのクライアントから断られることも出てきますよね。

「営業のプロ」である著者においても、当然クライアントから断られることがあるようですが、著者は、プルデンシャル生命に転職した際に当時のマネージャーから贈られた「ある言葉」を胸に刻み付けて営業をしているため、気持ちの切り替えがスムーズにできると述べています。

『あなたはこれから、お客様に何百回、何千回と断られます。でも、絶対に勘違いしてはいけないのは、あなた自身が否定されているわけではないのです。お客様は生命保険へのご契約を断ったのであって、あなたが否定されているわけじゃない。そのことだけは忘れないでほしい。』

まとめと感想

題名にあるように、本書で述べられているのは、営業テクニックではなく著者の豊富な経験に裏打ちされた「営業論」ともいうべきものです。

営業のテクニックももちろん必要だとは思いますが、それはあくまでも「土台」がしっかりしていればこそ力を発揮するものであり、この「土台」がしっかりしていないで小手先だけのテクニックに終始すれば、むしろ「クライアント」との関係を損なうことにもつながりかねません。

本書は、「営業」に新たに携わられる方を対象にした内容となっていますので、転職や異動で新たに「営業」に挑戦されるビジネスパーソンの皆さんに参考となる一冊と言えそうです。

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