『日本はこうしてオリンピックを勝ち取った! 世界を動かすプレゼン力』
(ニック・バリー/著)

  • 目次
  • 著者プロフィール
プロローグ 2020年オリンピック招致最終プレゼン
第1章 最終プレゼンを徹底分析する
第2章 ニック式、プレゼンを成功に導く7つの戦略
第3章 「五輪招致の請負人」の仕事術 ~東京オリンピックはこうして勝ち取った
第4章 世界に日本をプレゼンする ~五輪最終プレゼンから日本人が学べること
エピローグ
著者:ニック・バーリー Nick Varley
東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会コンサルタント。ロンドンを拠点とする国際スポーツ・コンサルタント企業Seven46の創業パートナー/CEO。2012年ロンドン・オリンピック招致委員会に当初から参画し、決定的な役割を果たした最終プレゼンテーションの執筆を手がける。直後にスポーツ・キャンペーン及びコンテンツ戦略を手がけるエージェンンシー、Seven46を創業(名前はロンドンの勝利が発表された7時46分にちなんでいる)、2016年五輪のリオ・デ・ジャネイロ、そして2020年の東京五輪の招致成功に戦略的コミュニケーション・アドバイザーとして決定的な役割を果たした。また国際ラグビー連盟のオリンピック・キャンペーン(7人制ラグビーの採用)や2017年のロンドン世界陸上招致でも勝利を呼びこむプレゼンテーションを執筆している。ジャーナリストとしてそのキャリアをスタートし、英ガーディアン紙のスポーツ特派員も務めた。著書にGolden Boy : a biography of Wilf Mannion (1997年ウイリアム・ヒル・スポーツブック・オブ・ザ・イヤー最終選考)、Parklife : A Search for the Heart of Football (1999)がある。 Seven46 http://www.seven46.com/

書評レビュー

2020年東京オリンピック招致の決め手となった「プレゼンテーション」

本書は、2020年東京オリンピック招致を成功に導いた陰の立役者「ニック・バリー」氏による、人の心を動かすプレゼンテーションスキルを解説した一冊です。

2013年9月、日本各地で歓喜の声が上がりました。この歓喜の渦の中心には、念願だった2020年東京オリンピック招致の成功がありました。

オリンピック招致キャンペーンは、準備期間の長さ、参加するメンバーが国を代表する人物であること、そして予算規模の大きさから、世界最大のセールス・プレゼンと呼ばれています。

そして、最終的な五輪招致に最も大きな影響を与えるのが、招致候補国の著名人やアスリートたちの手によって実際に行われる「最終プレゼンテーション」なのです。

著者は、2012年ロンドンオリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピック、そして2020年東京オリンピックの招致キャンペーンに「プレゼンテーション」のコンサルタントとして参加し、なんと3大会連続で招致成功に導いたオリンピック招致の影の立役者と言われています。

元来プレゼンテーションが苦手だった日本人が、いかにして世界最大のセールス・プレゼンの場であるオリンピック招致で成功を収めたのか・・・、本書では、プレゼンテーションのプロによる、人の心を動かすプレゼンテーションスキルのエッセンスが紹介されています。

プレゼンを成功に導く7つの戦略

本書では、プレゼン成功請負人である著者が利用している「7つの戦略」が紹介されています。

戦略1 まずは算数から(DO THE MATH)
戦略2 オーディエンスを理解する (KNOW YOUR AUDIENCE)
戦略3 インパクトを演出する( MAKE AN IMPACT) 
戦略4 インパクトを持続する(KEEP MAKING IMPACT)
戦略5 視覚に訴える(BE VISUAL) 
戦略6 明確なヴィジョンを持つ(BE VISIONARY)
戦略7 パフォーマンス(PERFORM)

今回は、この中から、特に印象に残った「明確なヴィジョンを持つ(BE VISIONARY)」をご紹介します。

著者は、日本人がプレゼンテーションを苦手にしている理由の一つとして、この「明確なヴィジョン」をオーディエンスに打ち出すことができないためだと解説しています。

これは、日本人の国民性、つまり、自分の意見をはっきりと言うことを傲慢と捉えている風潮に起因しているようです。

しかし、プレゼンテーションに臨む場合、特に自身がプロジェクトのリーダーや経営者として臨む際には、この「明確なヴィジョン」こそが最も重要なファクターであり、これがなければプレゼンテーションは中身のないものとなってしまうのです。

『プロジェクトを勝ち取るためのプレゼンであっても、あるいは単に構成のスピーカーとして招待された場合であっても、そこに自分がいる理由は、自分の考えを聞いてもらうためです。つまり、あらゆるプレゼンには、明確な視点がなければならないのです。』

著者は、このように述べた上で、プレゼンテーターの視点から何かを学べたと思う、「心に残る」プレゼンを心がけるべきだと解説しています。

まとめと感想

本書では、実際に東京オリンピック招致でプレゼンテーターを務めた著名人、アスリートのプレゼンテーションをそれぞれ事例として取り上げているため、効果的なプレゼンテーションのイメージが非常に湧きやすい内容になっています。

また、滝川クリステルさんが「O・MO・TE・NA・SHI」をつかった裏側など、楽しみながら読み進めることができる内容となっています。

商談の場や社内ミーティングにおいて大切なことは人の心を動かすことであり、そのためには、やはり伝えたいことを自分の言葉にしてプレゼンテーションすることが最も大切と言われていますので、本書を読んで効果的なプレゼンテーションの基本を学んでみてはいかがでしょうか。

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