書評『法人営業のズバリ・ソリューション』
(片山 和也/著)

  • 著者プロフィール
  • 目次
著者:片山和也
1973年岡山県生まれ。大手機械商社の営業職を経て株式会社船井総合研究所に入社。現在、同社のシニアコンサルタント、グループマネージャー。B2B(法人向け)マーケティングのトップコンサルタントとして、業績アップ、営業力強化、戦略策定のコンサルティングを行う。とくにリーマンショック後は、成熟・衰退業種を中心に本書で紹介する「B2Bダイレクトマーケティング」の手法を展開し、クライアント成功率95%以上の高い実績を上げている。著書多数。
はじめに
CHAPTER 1:消費者を狙うな、法人に売れ!
CHAPTER 2:2つの空白マーケットで業績を上げる集客・営業法
CHAPTER 3:巨大な空白マーケット「雨ざらし市場」を狙え!
CHAPTER 4:「雨ざらし市場」を攻略する法人通販の進め方
CHAPTER 5:じつは価格競争なしで攻略できる「クジラ市場」を狙え!
CHAPTER 6:コネなし、人脈なしでも「クジラ市場」は開拓できる
CHAPTER 7:リピート客を確実に増やす顧客フォローの進め方
CHAPTER 8:売上のバラツキをなくす営業マネジメントの進め方

書評レビュー

 本書は、中堅・中小企業が法人向け新規開拓営業(B2Bダイレクトマーケティング)で成果をあげるための教科書的一冊。2つの「空白マーケット」に着目する。著者は船井総研でB2B(法人向け)マーケティングのトップコンサルタント・マネージャーとして活躍する片山和也氏。

船井総研は地方・中堅・中小企業へのコンサルティング実績と入り込み方が非常に強く、相当な信頼感を得ていることで有名だが、本書には、そんな船井総研ならではの法人営業ノウハウが多数紹介されている。その要旨は、タイトルにもあるように中堅・中小企業は『2つの空白マーケット』を狙え、というものだ。2つの空白マーケットとは以下の市場である。

1.雨ざらし市場

「『雨ざらし市場とは、従来の人的販売が成り立たないと思われている零細企業・個人事業主マーケットを指します。ルートセールスの営業マンは、訪問しても数字につながりにくい零細企業には積極的に訪問しません。その結果どこの企業からも訪問されずに「雨ざらし状態」になっていることから、こう呼ばれています。」

実例として、飲食店(居酒屋マーケット)、工場(町工場マーケット)などが挙げられている。この市場を狙う企業としては、アスクルやMonotaroといった企業がわかりやすいのではないだろうか。

2.クジラ市場

「『クジラ市場』とは、いわゆる大企業マーケットのことです。大企業はクジラのように巨大ですが、仕留めるのが難しいのでこう呼ばれています。」

つまり、対大企業の営業は普通に攻めると難易度が高いが、その分1頭でも仕留めることができれば、巨大なのでしばらく食べていける、ということである。

では各社はどちらの市場を攻めればよいのか?詳細は本書に譲るが、まずは、自社の売上構成(=自社の強みの裏返し)が、「パレート型」「ロングテール型」のどちらなのかを把握する。そして、それぞれの強みに応じた市場を狙うことが基本になる。基本戦略は次のパターンだという。

  • パレート型(売上構成の8割を上位2割の顧客群で占めている)→クジラ市場
  • ロングテール型(売上構成が小口顧客群の集合体である)→雨ざらし市場

本書では他にも空白マーケットの見つけ方から、カタログやウェブサイトのつくりこみ、初回訪問、リピート営業のテクニックまで具体的に紹介されている。本書のメインターゲットは、新規開拓営業をしたい経営者、営業担当者だが、好業績をあげる知られざる企業が豊富にとりあげられており(業種業態もさまざま)、大企業で法人営業に携わる方にも参考になるだろう。

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