2020 6月

『Unlocking Creativity チームの創造力を解き放つ最強の戦略』
(マイケル・A・ロベルト/著)

イノベーションや創造性の発揮は、いまや一部の個人や企業だけが目指すべきものではなくなっている。しかし、日本だけでなく海外でも、多くの企業や組織にクリエイティブな発想を阻害する6つの「思い込み」が存在するという。それは「過程」「基準」「予測」「構造」「集中」「反論」に関するものだ。

『格差は心を壊す―比較という呪縛』
(リチャード・ウィルキンソンほか/著)

超格差社会と呼ばれるアメリカをはじめ、欧米では格差問題への関心が高い。比較的格差が小さいとされてきた日本でも、近年格差や貧困の増大が叫ばれつつある。本書では、500を超える文献と国際比較データを基に、低所得者層だけでなく国民全員に悪影響を及ぼす格差や不平等の姿を明らかにする。

『成功する「準備」が整う世界最高の教室』
(ダイアン・タヴァナー/著)

近年、企業環境が大きく変化するとともに、産業界に人材を供給する立場にある教育業界にも変革の波が押し寄せている。そんななか、生徒の「生きる力」を伸ばし、家庭環境にかかわらず 100%の大学進学実績を誇るユニークな学校「サミット・パブリック・スクール」が全米から注目を集めているという。

『運を加速させる習慣』
(矢澤亜希子/著)

ビジネスや勝負事の世界では、「運」の良しあしが勝負を分けるといわれることが多い。本書はその「運」を科学し、運を創り出す方法に迫った一冊だ。世界で競技人口3億人を誇るボードゲーム「バックギャモン」世界チャンピオンの著者によれば、私たちは自分にとって都合のいいことが起きると「運」がいいと感じる。

『ブレイン・ルール―健康な脳が最強の資産である』
(ジョン メディナ/著)

今、脳の衰えを減らす方法を研究する「ジェロサイエンス」が注目されている。人は加齢によって体力的に衰えていく。しかし、必ずしも脳は加齢とともに衰えるものではないのだ。脳が若い頃と同じような柔軟性や社会性を持つことは、幸福度や記憶力、さらには疾患、寿命の長さにも影響するという。

『エフォートレスな行動で、能力を最大化する「無為」の技法 Not Doing』
(ダイアナ・レナ―ほか/著)

現代では、多くのビジネスパーソンがタスクに追われる毎日を過ごしている。だが著者らによれば「忙しい」という感覚には依存性があり、時間が空くと不安を感じたり、何をすべきかわからなくなるのは危険な兆候だ。そこで必要なのが「しない(Not Doing)」という選択肢、そして「ない」を受容する力(ネガティブ・ケイパビリティ)である。

『感性思考―デザインスクールで学ぶ MBAより論理思考より大切なスキル』(佐々木康裕/著)

変化の激しい現代のビジネス環境においては、ある時点の「正解」が数年、数カ月単位で「正解」でなくなることも多い。従来の論理的思考や戦略思考は「正解」にたどり着くためのものであるため、近年ビジネエリートの間でアートやデザイン思考といった右脳的思考の需要が高まっている。

『Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命―移動と都市の未来―』
(日高洋祐、牧村和彦、井上岳一、井上佳三/著)

2018年ごろから、日本でもあちこちで聞かれるようになった「MaaS(Mobility as a Service)」。数年先を行く欧州のシステムと比較し、日本では普及しないとの声もある一方で、現在では各業界からその取り組みの萌芽が感じ取れる。それは MaaSの普及が、超高齢化社会などの社会課題解決の起爆剤となる可能性があるからだ。

『豊田章男』
(片山修/著)

平成の「失われた 30年」の間に着実に成長を続け、販売台数世界一、時価総額日本一などを達成、日本を代表する世界的企業として存在感を示すトヨタ自動車。近年ではリーマン・ショックや大規模リコール問題、東日本大震災などをも乗り越え、成長軌道への采配を振るってきたのが、創業家出身で現在社長を務める豊田章男氏だ。