
『無形資産が経済を支配する―資本のない資本主義の正体』
(ジョナサン・ハスケルほか/著)
近年、経営において特許や商標権、従業員の持つ技術や知識、あるいは企業文化といった物理的なモノではない「無形資産」の重要性が着目されている。一方でこれらは計測が難しく、その実態が正確に理解されているとは言い難い。本書は、無形資産の特徴を明らかにし、増大する無形資産への投資による社会的・経済的影響の全貌を示した労作だ。
近年、経営において特許や商標権、従業員の持つ技術や知識、あるいは企業文化といった物理的なモノではない「無形資産」の重要性が着目されている。一方でこれらは計測が難しく、その実態が正確に理解されているとは言い難い。本書は、無形資産の特徴を明らかにし、増大する無形資産への投資による社会的・経済的影響の全貌を示した労作だ。
新年の誓いからダイエット、自己変革まで、誰しも目標を設定したものの、未達成に終わってしまった経験があるはずだ。多くの場合、人はその原因を自分の「意志の力」の弱さに求める。だが組織心理学者の著者は、そうした考えを「意志力など役には立たない」と一蹴、その代わりに「目標を確実に達成できる環境」を作ることを提唱する。
本書の著者 佐藤優氏は、近年、講演会や勉強会の後で“メンタル不調”について相談されることが飛躍的に増えたという。外務省、特捜検察などの巨大組織に屈せず自分の心を守り抜いた著者ですら、急速に新自由主義化し、競争圧力が強まる現代日本においては、普通の精神では心が折れてしまうと危惧する。
AIと言えば高度な「理系人材」の独壇場のイメージがあるが、実は近年様々なツールやサービスが登場することで、AIを「作る」ための技術がより一般化しつつある。そこでいま求められているのが、AIをいかに「使いこなす」かというテーマであり、その領域ではビジネスの現場も知っている「文系人材」にも大いに活躍のチャンスがあるのだ。
エネルギービジネスは今後、インフラ産業から情報・サービス産業へと発展する」と言われても、すぐに理解できる方は少ないかもしれない。だがこれが、半年以上かけてエネルギービジネスで先進的取り組みを行う企業へインタビューを続けた著者の最終的な結論である。その鍵を握るのが、IoTやスマートメーターによるエネルギー利用データだ。
徹底したドミナント戦略や PB(プライベートブランド)商品の開発、ATMの設置など、利便性を高めることで消費者に支持され、今や社会のインフラ的な役割をも期待されるコンビニチェーン。ところが 2019年、「24時間営業」をめぐる加盟店とチェーン本部の軋轢が明らかになり、成長の「飽和点」も囁かれ始めた。
戦後初のベストセラー大衆車「スバル 360」に始まり、海外でも人気の「アウトバック」「レヴォーグ」など、トヨタ、日産といった巨大自動車メーカーとは一味違う車づくりで根強いファンを持つ SUBARU(スバル)。本書は同社のルーツである戦前の中島飛行機時代まで遡り、その経営とものづくりの原点に迫った一冊だ。
日本でも格差社会や社会的階層の固定化といった問題が叫ばれるようになって久しい。これまで「階級」あるいは「階層」に関して、職業分類や経済状況などの議論がなされることが多かったが、本書のキーワードは、経済資本(資産と所得)、文化資本(嗜好、興味、文化活動)、社会関係資本(社会的ネットワーク)という3つの資本だ。