2014 10月

『21世紀の貨幣論』
(フェリックス・マーティン/著)

「物々交換の不便さから貨幣が生まれた」などの貨幣の歴史は誤った歴史認識であり、「マネー」の本質すら見誤っているとの指摘を端緒に、貨幣経済とマネーの歴史をひも解いた一冊。マネーの本質は「モノ」ではなく「『信用』を軸とした社会的な技術」であるとして、現代のマネーをより良いものへ進化させる道筋を提起する。

推薦者 入山章栄
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『模倣の経営学 偉大なる会社はマネから生まれる』
(井上達彦/著)

「模倣」という言葉に対するネガティブなイメージ(猿真似、Copycatなど)は洋の東西を問わない。しかし本書では、古来模倣が尊重され、模倣こそが創造の母である(=イノベーションは模倣から始まる)ことを多くの企業事例から明らかにする。その過程でいかに模倣が知的に高度な行為であるかについても理解できるだろう。

『CEOからDEOへ 「デザインするリーダー」になる方法』
(マリア・ジュディースほか/著)

「デザイン思考」という言葉が話題だが、デザインとは何だろうか?著者はデザインを「(集団的な)変化を促すもの」と定義し、これからの時代を切り拓く「デザインするリーダー=DEO(デザイン・エグゼクティブ・オフィサー)」像を明らかにする。著者はFacebookのプロダクトデザインのディレクターも務める人物。

推薦者 小山龍介
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『もういちど読む山川倫理』
(小寺 聡/編)

高校教科書として使用されている山川の『現代の倫理(改訂版)』を、一般読者向けに編纂し直した一冊。「教科書」という形で、古代から現代までの東洋・西洋の主要な思想家たちの、思想・生涯・著書などが歴史を追ってわかりやすく解説されている。哲学的思想の起源、西洋の近現代哲学、日本の思想、現代の倫理的諸課題の4章で構成され、思想史の大きな流れをつかむことができる。

推薦者 崔 真淑
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『企業参謀―戦略的思考とはなにか[新装版]』
(大前 研一/著)

1975年、77年に発刊された『正・続 企業参謀』をあわせて新装版にした大著。大前研一の「発想の原点」として累計発行部数50万部を超えるベストセラーであり、戦略的に問題解決することの本質が解説されている。「戦略的思考家」の心構えから、フレームワーク、企業ケーススタディまでまとめられた必読の一冊。

『取締役の心得』
(柳楽 仁史/著)

「取締役」は、法律上も実務上も部長や課長といった管理職とはまったく異なる立場である。しかし準備不足のまま取締役になってしまう例も多く、管理職として有能な人物が失速してまう例も多い。本書は船井総研の経営コンサルタント、グループ役員として長く活躍してきた柳楽 仁史氏が、取締役の正しい心得を説いた一冊である。

推薦者 山田 淳
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『星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則』
(中沢康彦/著)

成長著しい「星野リゾート」を経営する星野佳路社長が、経営の「教科書」にした経営書を、自社の抱えていた課題事例とともに解説した一冊。いわゆる経営学の理論は「実践の役に立たない」と切り捨てられることもあるが、星野社長は戦略策定、マーケティング、組織改革などにおいて、徹底して理論に忠実な経営を行ってきたという。

推薦者 村上憲郎
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『ハイエク 知識社会の自由主義』
(池田 信夫/著)

通常の金融理論では、すべての市場参加者が完全な知識に基づいて「合理的」に行動すると教える。しかし、現実の経済は、業績好調だったファンドが一夜にして破綻するような、不確実性に満ちたものだ。このような不確実な世界を正しく予測していたのが、オーストリア出身の経済学者ハイエクである。彼は「人々は不完全な知識のもとで慣習に従って行動する」と考え、「人間は合理的に行動する」と考える主流の経済学者から無視されてきた。しかし20世紀の最後の四半世紀は、ハイエクの思想が正しかったことを証明した。

推薦者 出口治明
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『本当に残酷な中国史―大著「資治通鑑」を読み解く』
(麻生川 静男/著)

紀元前の中国の歴史を描いた大作『資治通鑑』では、激しい権力闘争と粛清、そして桁はずれの蓄財といった、現代中国にそのまま共通する社会の負の側面が描かれ、中国人の倫理観や歴史観に影響を与えてきた事実が数多く挙げられている。著者麻生川静男氏はリベラルアーツ研究家であり、京都大学でベンチャーや国際人の人材育成にも従事。

『就活「後ろ倒し」の衝撃: 「リクナビ」登場以来、最大の変化が始まった』(曽和利光/著)

2013年9月、新卒採用(学生にとっては就職活動)の現場では、2016年入社(2014年度の大学3年生)から、採用広報が3カ月、採用選考が4カ月後ろ倒しされるという政策変更が衝撃をもって受け入れられた。本書ではこの「就活後ろ倒し」が学生・企業にどのような影響を及ぼすかどう対処すべきかを詳細に解説する。

『外資系コンサルに学ぶ聞き方の教科書』
(清水久三子/著)

本書では、「聞く」力を「聞く(Hearing)」「聴く(Listening)」「訊く(Asking)」に分け、それぞれのステップや具体的な質問ワードを丁寧に解説し、プロフェッショナルなコンサルタント達が駆使する技術を明らかにした実践的な聞き方の教科書である。

推薦者 宮内義彦
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『団塊の秋』
(堺屋 太一 /著)

本書は、戦後のベビーブームで誕生した世代を「団塊の世代」と名付け、ベストセラーとなった『団塊の世代』(堺屋太一/著・1976年)の続編としての位置づけを担う一冊。著者は前著『団塊の世代』にておいて、人口の多いこの世代の成長が日本経済を揺るがし、政治のあり方を変えていくという状況を予測した。本作で「衰退」から「希望」へ至るストーリーは、超高齢化社会などへの根本的な改革を先送りしてきた日本社会への問いかけでもあり、あらゆる世代が考えるべきメッセージが盛り込まれている。