時事・政治経済

時事・政治経済に関するビジネス書籍の要約・書評の一覧です。
経済学から日本・グローバルの未来予測、シェールガスなど話題のテーマまで、
新刊とロングセラーからおすすめの本をまとめています。

『新しい教養としてのポップカルチャー―マンガ、アニメ、ゲーム講義』
(内藤理恵子/著)

マンガやアニメ、ゲーム、ラノベなどは長らく「サブカルチャー」と言われ、日本文化のカウンターカルチャーとして位置づけられてきた。だが現在はすでに日本の一大産業として認められ、「クール・ジャパン」の象徴ともなっている。これらの作品から何らかのメッセージを感じ取り、自己形成の1つにした経験を持つ人も少なくないはずだ。

『地域格差の正体』
(栗岡完爾、近藤宙時/著)

新型コロナウィルスで大きな打撃を受けた産業の一つが観光産業である。海外からのインバウンド市場の本格的な復活にはまだ時間がかかりそうだが、国内旅行は徐々に回復基調にある。本書では、コロナ後の経済再活性の起爆剤としての「観光産業」、それも経済波及効果や即効性が高い「日本人による国内旅行での消費」を論じる。

『格差と分断の社会地図』
(石井光太/著)

日本でも格差社会が広がっていると見聞きする機会が多くなった。特にコロナ禍であらゆる格差が顕在化し、社会が分断されたと感じることも少なくないだろう。だが、大半の人は自分が生きてきた世界以外は想像ができない。同じ年齢、同じ出身地でも、階層によって見える世界がまったく違っているのだが、そこに気づくことができないのだ。

『DX進化論―つながりがリブートされた世界の先』
(尾原和啓ほか/著)

新型コロナウイルスにより社会のデジタル化へのシフトが加速した。その一方で、つながりすぎた社会や巨大 ITプレイヤーの寡占による不安も増大している。ではこうした DX(デジタル・トランスフォーメーション)の波が ビジネスや消費活動のみならず、資本主義や国家そのものを変革していったとき、どのような未来が訪れるのだろうか。

『まちづくり幻想―地域再生はなぜこれほど失敗するのか』
(木下 斉/著)

地方創生が叫ばれて久しい。東京一極集中から地方の時代へ、というキーワードで地方でのまちづくりに可能性を感じている人も多いはずだ。だが、多くの財源が国から配分されているにもかかわらず、地方創生は失敗に終わることが多い。著者によれば、その大きな要因は、人々がまちづくりに関してたくさんの「幻想」を抱いていることだ。

『国富215兆円クライシス―金融老年学の基本から学ぶ、認知症からあなたと家族の財産を守る方法 』
(木下翔太郎/著)

日本社会の高齢化が進み、労働力の不足など様々な問題が噴出しつつあるが、「認知症と財産」の問題もその一つだ。高齢化に伴い、2025年には 65歳以上の5人に1人が認知症に罹患し、2030年には認知症患者の持つ金融資産が家計金融資産全体の1割を超えると推計されている。

『なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか』
(戸堂康之/著)

新型コロナウイルスの蔓延により、経済危機や感染症の連鎖など、グローバル化の負の側面を感じた方も多いはずだ。またそれ以前より経済格差の拡大などで、自国優先、保護主義の「反グローバル化」の動きが活発化していた。では本当にグローバル化にはメリットを上回るデメリットしかないのだろうか。

『ビジネスの未来―エコノミーにヒューマニティを取り戻す』
(山口 周/著)

繰り返される経済危機や格差・政治的分断の拡大などによって、資本主義の限界や行き詰まりを指摘する言説が昨今増えてきている。では、その先の社会はどのようなものだろうか。本書では、資本主義の過去・現在を冷静に分析し、日本をはじめとする先進諸国の未来、およびあるべき社会システムを論じていく。

『ようこそ、2050年の東京へ』
(榊 淳司/著)

新型コロナウィルスの世界的流行によってテレワークが浸透し、オフィスや住む場所に対する考え方も変わりつつある。オフィス需要の減少はビジネスの中心であった東京の役割や街並みに今後影響を与えるだろう。さらに、高齢化と人口減少により、これまで発展・拡大の一途であった東京の街づくりに影響を与える。

『捨てられる宗教―葬式・墓・戒名を捨てた日本人の末路』
(島田裕巳/著)

「捨てられる」宗教とはどういうことか。日本では、平成の約 30年間で仏教系の信者がほぼ半減したのだという。伝統宗教だけでなく新興宗教も同様に衰退の傾向があり、さらに葬儀の簡素化やお墓を造らないスタイルも増えてきた。近年一層日本人の宗教離れが進んでいるのだ。しかもこの現象は世界的なものだという。