時事・政治経済

時事・政治経済に関するビジネス書籍の要約・書評の一覧です。
経済学から日本・グローバルの未来予測、シェールガスなど話題のテーマまで、
新刊とロングセラーからおすすめの本をまとめています。

新着

『2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!』
(ジャック・アタリ/著)

世界では、政治経済の両面で日々多くの変化が起こっており、それが吉と出るか凶と出るかは誰にもわからない。ただし、ある程度の予測を持っておくことは不測の事態に対処するための賢明な方法であり、そのため未来予測に関する本は毎年数多く出版されている。だが、ネガティブで破滅的な未来については、それが示されていたとしても、なかなか受け入れられないのもまた人間の性である。

『スティグリッツのラーニング・ソサイエティ』(ジョセフ・E・スティグリッツほか/著)

人々の平均的な生活水準はローマ時代から1800年代までは大きな変化がなかったという。ところが20世紀には、新鮮な食材、暖かな住まい、娯楽といったかつての上流階級の生活水準が、ほぼ全世界の人々に浸透した。本書の著者であり、ノーベル経済学賞受賞の経済学者であるジョセフ・E・スティグリッツ氏によれば、これらの向上をもたらしたものは、様々なイノベーションと「ラーニング」(生産性を向上させるための学習)である。

『教養としての社会保障』
(香取照幸/著)

社会保障は私たちの身近にありながら、専門家でも全体を見渡すのが難しいほど膨大で複雑な制度で成り立っているため、非常にわかりづらい。それゆえ社会保障は、負担になるだけだと批判の対象になることも多い。しかし社会保障は、セーフティネットとしてもしもの時に人々を守ってくれるだけでなく、そのおかげで人々はリスクを冒して挑戦できるという側面があるという。その点で、社会保障は社会の発展に寄与しているのだ。

『欲望の資本主義―ル―ルが変わる時』
(丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班/著)

リーマンショックや英国のEU離脱、マイナス金利、トランプショックなど、世界経済には衝撃的な出来事が続いており、資本主義の限界が来ているのではないかという指摘も増えている。本書は、そうした世相を反映し、安田洋祐・大阪大学大学院准教授が、経済学やビジネスのトップランナーたちと「欲望」をキーワードに深い対談を試みた NHKのドキュメンタリー番組『欲望の資本主義~ルールが変わる時』を書籍化したものだ。

『経済ニュースの「なぜ?」を読み解く11の転換点』
(田村賢司/著)

日本中が株価と地価の高騰に熱狂した1980年代の「バブル経済」。今も頻繁に言及され、その崩壊が日本経済の長期低迷につながったことはよく知られているが、その現象や要因をきちんと説明できる人は実は少ない。本書はそんな「バブル」「デフレ」「人口減少」「財政赤字」「社会保険料増大」など、現在の日本経済の理解に必須ながら、直近の歴史ゆえに曖昧な理解にとどまりがちなテーマをわかりやすく解説する。

『大前研一ビジネスジャーナル No.7』(バルト三国・ベラルーシの研究~今、日本が学ぶべき“小国家戦略”)

大前研一氏が、グローバルなビジネス情報の解説や分析を経営者層向けに解説する『大前研一ビジネスジャーナル』シリーズの第7弾。本号では「バルト三国・ベラルーシの研究~今日本が学ぶべき“小国家戦略”」と題し、バルト海東岸のエストニア・ラトビア・リトアニアの「バルト三国」とその南に位置するベラルーシの政治・経済情勢を考察する。

『イノベーターたちの日本史』
(米倉誠一郎/著)

グローバリゼーションや労働力人口の減少、AIの台頭など日本企業を取り巻く環境は大きく変化しようとしている。明治維新による社会構造の大変化と開国による欧米列強の外圧など、日本の近代化も同じ状況であった。では当時の日本人たちはどのような難題にぶつかり、どうやった日本を近代国家として生まれ変わらせたのか。そこには多数のイノベーターたちの極めて優れた「創造的対応(creative response)」があったという。

『不道徳な見えざる手』
(ジョージ・A・アカロフ、ロバート・J・シラー/著)

いつの時代にも、人の弱みや勘違いなどにつけこみ、欲しくもないものを買わせるような詐欺師は存在してきた。本書の原題にある「Phishing」は「fishing」に由来し、日本でもフィッシング詐欺という言葉でも使われている「釣り行為」のこと。なお「Phool」は「fool(愚か者)」に由来する「カモ」の意である。本書は、釣り師とカモの事例から、戦後の「新自由主義」やアダム・スミスの主張した「見えざる手」の限界を指摘し、現代経済を読み解く意欲作だ。

『政府の隠れ資産』
(ダグ・デッター、ステファン・フォルスター/著)

日本の公的債務(政府債務残高)は 世界でも突出して高く、GDP比200%を上回っている。このことから財政破綻の危機や増税の議論がなされているが、この議論で見落とされているのが、日本が実は多くのパブリック・ウェルス(公共資産:政府や地方自治体が保有する不動産や施設、金融資産、企業、インフラなど)を持っていることである。

『富国と強兵 地政経済学序説』
(中野剛志/著)

21世紀に入り、リーマン・ショックやユーロ危機、ロシアのクリミア侵攻、中国の野心的行動、イギリスのEU離脱、トランプ大統領の就任など、世界の政治経済分野で予測不可能な事態が多発している。これは、冷戦終結以来アメリカが中心となって推進してきた自由主義的グローバリズムのほころびと捉えることもでき、こうした事象を俯瞰的に理解するための新たな社会科学が、本書で提唱される「地政経済学」だ。