
『「欲しい! 」はこうしてつくられる―脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理』
(マット・ジョンソンほか/著)
「なぜファストフード店のロゴは赤と黄色なのか?」「なぜ去年買ったばかりの iPhoneを、今年も新調してしまうのか?」このような疑問を抱いたことはないだろうか。これらは人の行動心理に基づく企業のマーケティング戦略と強く結びついている。では具体的に、「欲しい」を誘導する仕組みとはどのようなものなのだろうか。
マーケティング・セールス関連ビジネス書籍の要約・書評の一覧です。
営業スキルからブランディングまで、新刊とロングセラーからおすすめの本をまとめています。
「なぜファストフード店のロゴは赤と黄色なのか?」「なぜ去年買ったばかりの iPhoneを、今年も新調してしまうのか?」このような疑問を抱いたことはないだろうか。これらは人の行動心理に基づく企業のマーケティング戦略と強く結びついている。では具体的に、「欲しい」を誘導する仕組みとはどのようなものなのだろうか。
マーケティングといえばターゲット、コンセプト、差別化、ポジショニングなど、企業の競争戦略というイメージが強い。だが、自分自身のコンセプトや差別化、ポジショニングを考えることは、キャリア形成のうえでも重要だ。マーケティング的思考法は人生においても役立つビジネスパーソンの基本教養なのだ。
いまやアメリカと比肩する IT大国となった中国。その消費トレンドを指す「新消費」という言葉がある。デジタル化やコロナ禍によって、消費への価値観と手段が大きく変化している現在、オンライン化のみならず OMO(Online Merges Offline)といった方向に、売り手側はスピーディーに対応していかなければならない。
マーケティングの世界では、日々目まぐるしく変わる消費者ニーズやトレンドの中で、バズワードが表れては消えていくスピードが早まっている。また、価値観が多様化し、マス向けの施策が以前ほどインパクトを出せなくなっている。このような中で、苦境に立たされているマーケターは少なくない。
Z世代(1996~2012年頃生まれた世代)という言葉を耳にすることが増えてきた。現在 10代~20代なかばの彼らは、生まれた時からPCやモバイル機器に囲まれ、ソーシャルメディアの台頭もあって環境問題などでも大きな存在感を示し始めている。ビジネス文脈でも、今後 20年の消費行動やビジネスの中心となっていく世代である。
近年、経済のグローバル化やインターネットの発達で、ほとんどの製品やサービスの機能が発売後すぐに模倣され、差別化がしにくくなっている。その突破口となり得る概念が、本書で提唱される「プロセスエコノミー」だ。これは文字通り、アウトプット(最終製品)ではなく、プロセス(制作過程)自体が価値を生むという考え方である。
コロナ禍によってオンライン商談が増え、対面型営業との勝手の違いに悩む方も多い。しかし、リクルート社の伝説の部署でトップセールスになり、営業研修講師として 26年以上活躍する営業のプロである著者によれば、オンラインでもリアルでも営業の基本行動は変わらない。
現在、ほとんどの産業は成熟化し、類似商品やサービスが溢れている。こうした時代におけるマーケティング戦略の一つの突破口として近年注目を浴びているのが、「行動経済学」だ。行動経済学とは「人間の非論理的な心理作用やそれに基づく判断を活用したアプローチ」とも言うべきもので、現在、その知見が様々な分野で応用されている。
近年、企業戦略と組織を変革するデジタル・トランスフォーメーション(DX)が急務とされている。なかでもデジタル化が進んでいるのがマーケティング分野だが、多くのバズワードに振り回され、「成果の出ない施策」が繰り返されてしまっているのもこの分野である。著者によれば、その理由はデジタルの強みと弱みを理解していないことにある。
「ブランド」や「ブランディング」と聞くと、高級ブランドや大企業のロゴマークをイメージされる方も多いだろう。しかし実はブランディングが必要なのは大企業だけではない。むしろ、価格戦略や広告費で大手企業に勝てない中小企業こそ広告費をかける前にブランドをつくっておくべきなのだ。