『世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ発想力の鍛え方』
(クリスチャン・ステーディルほか/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 デンマークはイノベーションやデザイン分野で、世界一クリエイティブな国として注目を集めている。人口600万人に満たない小国だが、イルムスなど北欧家具に限らず、世界一のレストラン noma(ノーマ)、LEGO、ロイヤルコペンハーゲンなど多数の企業や建築家などを輩出しているのだ。変わった所ではサッカー日本代表監督候補のラウドルップ氏もデンマークサッカー界の雄である。

 デンマークのクリエイティビティの特徴は、「ゼロからイチ」ではなく、「イチからα」を生み出すことだという。そしてデンマーク人は、豊かな発想を生みイノベーションを創出するためには、「完全な自由」ではなく「制約」こそが重要であると理解している。

 本書ではグローバルに活躍するデンマークの経営者、建築家やアーティスト、ドラマ制作者、教育者などへの豊富なインタビューを通し、個人が発想力を鍛え、個人のクリエイティビティを組織や社会が促進する仕組みに迫っている。著者自身もスポーツブランドhummelのオーナーであり、イノベーションを生み出す組織づくりへの示唆も多い一冊。


著者:クリスチャン・ステーディル(Christian Stadil)
スポーツ衣料メーカーhummel(ヒュンメル)のオーナーで、海運、テクノロジー、食品、不動産などの事業を所有するトアニコグループCEO。グローバルな事業展開と、デザインやイノベーション志向の経営で注目を浴びている。

著者:リーネ・タンゴー(Lene Tanggaard)
オールボー大学心理学教授。同大の「クリエイティビティに関する文化心理学国際センター」共同ディレクター。職場におけるクリエイティビティやイノベーションについての著書があり、雑誌寄稿や講演活動も行っている。

翻訳:関根光宏(せきね・みつひろ)
翻訳家。慶應義塾大学法学部卒。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得。訳書にジンサー『イージー・トゥ・リメンバー』、アムスター=バートン『米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす』、ワイナー『世界しあわせ紀行』他多数。
山田美明(やまだ・よしあき)
翻訳家。東京外国語大学英米語学科中退。訳書にロード&ヴェレズ『超先進企業が駆使するデジタル戦略』、サルドマン『薬のいらない生き方』、フロイモビッチ『僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか』他多数。


日本の読者のみなさまへ
序文 ズボンを脱いだCEO
はじめに
CHAPTER.1 誰もがもっとクリエイティブになれる!
CHAPTER.2 既存の枠の限界ぎりぎりへ足を踏み出す
CHAPTER.3 情熱は創造プロセスの原動力 ウィー・ラヴ・ピープル(広告会社)
CHAPTER.4 人魚姫とデートする
CHAPTER.5 受け継がれる天才の仕事
CHAPTER.6 疑念と不安を力に変える
CHAPTER.7 ブレイクスルーを得る方法を見つける
CHAPTER.8 薬物でクリエイティビティは高まるのか?
CHAPTER.9 クリエイティブな企業文化
CHAPTER.10 ブレイクスルーの快感、クリエイティブな作業空間
CHAPTER.11 既存の枠の限界ぎりぎりで仕事をする
CHAPTER.12 ビジネスにおける情熱
CHAPTER.13 クリエイティビティを管理する
CHAPTER.14 マニフェストとアイデアの爆発
CHAPTER.15 従業員から創造性を引き出すには
CHAPTER.16 隠れた鉱脈を探す
CHAPTER.17 学校とクリエイティビティの再生
CHAPTER.18 デンマークのクリエイティビティモデル
解説 「イチからアルファ」を生む国 田村大

要約ダイジェスト

既存の枠の限界ぎりぎりへ足を踏み出す

なぜデンマークなのか?

 大量の天然資源に恵まれているわけでもないデンマークは、いつの時代もクリエイティブな能力に頼らざるを得なかった。そのため、国境を越えてコラボレートすることが伝統となっている。

 また、デンマークでは昔から、為政者と市民の隔たりが小さい。市民は、現在の政府や公的機関全体に多大な信頼を寄せている。税金が高いため貧富の差が小さく、それが支え合い協力する伝統をいっそう強固にしている。

 デンマークはまた、世界的に見ても早くから女性に参政権を与え、1915年にはすべての女性にこの権利を付与した。さらに1989年には世界で初めて、同性愛者が法的に婚姻関係を結ぶことを認めている。このようにデンマークには、権力が分散した、開放的、協力的、自律的な社会がある。

 クリエイティビティにかかわるデンマークのエピソードには、

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