『答えを探さない覚悟』
(山元 賢治/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 さまざまな情報があふれる現代、働くことを考えるにあたって、メディアや周囲の人に影響され、「名の知れた大企業で働く」という答え以上に、自己の内面や価値観を見つめようとする人は少ない。

 しかし著者は、「答え」は決して一つではなく、「多くの人が目指す成功」に振り回されている時間はないと説く。終身雇用、年金などが崩壊し、幸せや成功の定義も人それぞれ異なるのが本来の姿なのである。

 本書ではそんな自分なりの答えを探すベースとなる考え方が解説されている。IBM、オラクル、アップルなどで、スティーブ・ジョブズらと伍してきた著者の仕事観は生易しいものではない。しかしそれゆえに、答えを自ら探すためにどのような「覚悟」が必要となってくるのかが理解できるだろう。一歩を踏み出せず悩む若手ビジネスパーソンに特にお薦めしたい一冊である。

著者:山元賢治
 株式会社コミュニカ代表取締役。1959年大阪生まれ。1983年、神戸大学工学部卒業後、日本IBM株式会社に入社。日本オラクル株式会社、イーエムシージヤパン株式会社副社長などを経て、2002年、日本オラクル株式会社取締役専務執行役員に就任。営業、開発、マーケティング部門の長として、最大1600人の部下を統括する。その後、ステイーブ・ジョブズから「日本を元気にしてほしい」との命を受け、アップルジャパン株式会社代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社セールス担当バイスプレジデントに就任。iPodビジネスの立ち上げからiPhoneを市場に送り出すまで、国内の最高責任者としてアップルの復活に貢献する。
 2009年9月、50歳を機に同社を退社。外資系企業を中心に30年近くにわたって築いた「知恵と経験」を自らの手で伝えるべく、現・株式会社コミュニカを立ち上げる。21世紀の坂本龍馬を育てる「山元塾」を主宰。講演活動も精力的に行なっている。
著書に、『「これからの世界」で働く君たちへ』(ダイヤモンド社)、『情熱を注いで、働く』(大和書房)、『選ばれ続けるリーダーの条件』(KADOKAWA)ほか。
株式会社コミュニカHP http://communica.co.jp/
第1章 なぜあなたは全力で仕事に向き合えないのか?
第2章 「自分はナニモノなのか?」を知る
第3章 なりたい自分に全力で近づくために
第4章 生き抜くために知っておくべき今と未来
第5章 仕事に対する覚悟を身につけるためのQ&A

要約ダイジェスト

やる気は「感動」から生まれる

 あなたは、日々の仕事の中で感動を味わっているだろうか。感動するということは、既知の概念を超えたものに出会うということであり、仕事は感動なくして成り立たない。

 私は、2004年にセールス担当バイスプレジデント兼日本支社の代表取締役社長としてアップルに入社したが、それまで身を置いていたのは、企業をクライアントとするBtoBの世界だったので、BtoCのビジネスにそれほど強い自信はなかった。

 それが、量販店の売り場で、ある場面を目にして意識が変わった。iPodのピンク色が売り切れて、

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