- 本書の概要
- 著者プロフィール
『南洲翁遺訓』を編纂した庄内藩の武士たちは、戊辰戦争で西郷隆盛ら政府軍に敗北したが、敗者への敬意を欠かさぬその態度に感動し、教えを請い、それらを遺訓集としてまとめた。それ自体西郷隆盛の人徳の高さが伝わるエピソードではないだろうか。
本書では「無私」「利他」「大義」といったテーマで普遍的な哲学が解説され、営利、非営利や事業規模、携わる業界を問わず、日々悩みながらも正しいリーダーたらんとする全てのビジネスパーソンに、王道を歩む自信と深い内省を与えてくれる一冊である。
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部を卒業。59年、京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。また、84年に第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。84年には稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。若手経営者が集まる経営塾「盛和塾」塾長
第一章 無私
第二章 試練
第三章 利他
第四章 大義
第五章 大計
第六章 覚悟
第七章 王道
第八章 真心
第九章 信念
第十章 立志
第十一章 精進
第十二章 希望

途上国における子ども達に、映像を用いた教育支援を行うプロジェクトを発足。2014年、世界銀行におけるイノベーションチャレンジにて最優秀賞に選出。東洋経済オンライン「新世代リーダー50人」選出。(>>推薦書籍一覧)
僕が尊敬する経営者、橘俊夫さんから薦めてもらった一冊です。稲盛和夫という現代日本の巨人経営者と西郷隆盛という一見異色の組み合わせですが、読めば読むほど鹿児島、薩摩の底に流れる哲学や歴史、考えを知れる一冊です。それにしても鹿児島、薩摩という切り口だけで、こんなにも奥深い日本はやっぱり凄いなと思うのです。
推奨読者:
・稲盛和夫さん、西郷隆盛、日本の鹿児島系経営者、偉人に興味のあるビジネスマンの方
・薩摩藩の郷中教育に興味のある大学生
要約ダイジェスト
上質な日本人、上質な日本であるために
かつて日本社会のいたるところに、上質な人間がいた。たとえ経済的に豊かではなくても高邁に振る舞い、上に媚びず下には謙虚に接し、他に善かれかしと思いやる―そんな美徳を持った日本人がたくさんいたのだ。
そして、かつてとびきり美しく温かい心をもった、ひとりの日本人がいたことを思い起こす。それは、西郷隆盛である。西郷を突き動かしたのは、日本という国を正しい方向に導かねばならないという「大義」であり、その「大義」に基づく「信念」だった。
『南洲翁遺訓』には、そのような西郷が残した、素晴らしい教えがまとめられている。西郷の生き方や考え方は、