- 本書の概要
- 著者プロフィール
「経営学」はリーマン・ショックを経て、資本主義とあわせて「金儲けの道具」として懐疑的な見方をされることがある。しかし、本来経営とは目的を達成するために、ヒト、モノ、カネなどのリソースを最適配分する「手段」であり、経営や経営学の「目的」は、「他者や社会を幸せにする」ことである。
本書では、この「人と社会を幸福にする」という原点から、イノベーション、マーケティング、事業戦略、財務会計、人材育成の5分野を捉え直し(例えば「イノベーション論=幸せを”生み出す”」「マーケティング論=幸せを”広める”」など)、その本質に迫っている。
各分野の必須の知識や理論はもちろん紹介されているが、学問的な教科書ではなく、実務家のための読み物として、専門分野に閉じてしまいがちな実務家へ、経営学の各分野のエッセンスを一体的に理解する新たな視点を提供してくれる一冊である。
著者の酒井穣氏は、フリービット株式会社 非常勤取締役、NPO法人カタリバ 理事、事業構想大学院大学・客員教授としても活躍しながら、株式会社 BOLBOP 代表取締役 CEOとして自らもベンチャー企業の経営に携わる人物。
著者:酒井 穣
株式会社BOLBOP代表取締役CEO。フリービット株式会社非常勤取締役(人材戦略研究所・所長)。認定特定非営利活動法人NPOカタリバ理事。事業構想大学院大学・客員教授(人的資源管理論)。琉球大学・非常勤講師(キャリア論)。1972年、東京生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。Tilburg大学TIAS School for Business and Society経営学修士号(MBA)首席(The Best Student Award)取得。同TIAS School for Business and Societyの25周年記念においては、スクールの発展に寄与した25人のVIPの中の1人に選出
出版:日本能率協会マネジメントセンター
はじめに なぜ経営学を学ぶべきなのか
第1章 幸せを”生み出す”――イノベーション論
第2章 幸せを”広める”――マーケティング論
第3章 幸せを”支える”――財務会計論
第4章 幸せを”デザインする”――戦略論
第5章 幸せを”つくる”――人的資源管理論
おわりに 経営学という哲学のススメ
要約ダイジェスト
なぜ経営学を学ぶべきなのか
経営学は、究極的には「人間を幸福にする」という目的をもった学問だ。目的をもって生きようとする人々に、それを達成するための手段を授けることで、人間を幸福にすることを目指してきた。
経営学の中心には、必ず人間がある。だから経営学は、心理学や脳科学、社会学や経済学といった広く人間を研究する分野にまたがり、そこを横断する形でしか成立しえない学問でもある。
しかし、経営学やMBA(経営学修士)という名を冠した書籍には、マーケティング、財務会計、戦略や人事など、
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