『カフェが街をつくる』
(入川 ひでと/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
日本から、地域密着型のコミュニティが消えて行っているといわれて久しい。そんな中で著者の入川氏は、ダイエーを経てカフェプロデュースや街ブランディングなどに転じ、「ワイヤードカフェ原宿」、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」、豊洲の「カフェ・ハウス」など、地域コミュニティのハブとなるカフェを次々に生み出してきた。

カフェはレストランと違って、メニューや営業時間にも決まったルールはない。著者のつくってきた店のタイプも様々だが、共通しているのは、「カフェはコミュニティをつくり、街をつくる」という信念と、人を読み、街を読み、そこからコンセプトをつくるというアプローチだという。

本書では著者が手掛けた多くのカフェ事例を通して、独自のマーケティング手法やコミュニティづくりの秘訣がわかりやすく説かれ、カフェ経営や飲食業に興味がある方はもちろん、街づくりや、組織・地域活性を考えるうえでも気付きの多い一冊となっている。

著者:入川ひでと
入川スタイル&ホールディングス株式会社代表取締役。1957年神戸生まれ。ダイエーグループにて新規出店業務を経て、1999年LDKを玉田敦士氏(現代表取締役)、2001年コミュニティ&ストアーズ(現カフェカンパニー株式会社)を橋本修二郎氏(現代表取締役)と共に創業。2005年に入川スタイル研究所、2007年に入川スタイル&ホールディングスを設立。カフェのプロデュースをはじめ、事業開発から業態開発、街づくりや企業・街のブランディングのほか、教育など仕事は多岐にわたる。数多くのカフェを手がける一方、店舗プロデュースなどでも高い評価を得ている。
出版:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
第1章 人を読む、街を読む
第2章 カフェをビジネスにする
第3章 その場所の新しい価値を見出す
第4章 話題のカフェはこうつくられた
第5章 カフェが街をつくる
巻末付録 目指せ!カフェオーナーへの10のステップ
推薦者コメント
ryusuke koyama小山龍介< 株式会社ブルームコンセプト 代表取締役>
米国にてMBAを取得後、2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立。新商品・新規事業コンサルティング、ワークショップを行う。『ビジネスモデル・ジェネレーション』(訳)、“IDEA HACKS!”等ハックシリーズなど著書多数。(>>推薦書籍一覧

スキルとかノウハウといったものばかりが注目されるが、一方でその人が活動する〈場〉によって、その人の活躍や成功が大きく左右されることに目を向ける人は少ない。カフェも同様だ。

街によってカフェが変わり、カフェによって街が変わる。カフェという〈場〉づくりから街づくりを捉える本書から、そうした〈場〉の力を知ることができるだろう。

推奨読者:
スキルもあるのに自分の力が活かされていないと感じている読者にヒントがあると思う。〈場〉を主語にして考える必要があるのだ。

要約ダイジェスト

カフェづくりは街づくり

徹底したリサ―チ

僕らがカフェの出店を検討する際に徹底するのは、人と街をとことん観察することである。どんな人が住んでいて、どんな人が働いているのか、300ミリの望遠レンズをつけた一眼レフを使い、大量に撮影する。

平日と週末、朝、昼、午後、夕方など、時間帯と曜日を区切って、性別、年齢、職業、ファッション…と、頭のてっぺんから爪先まで観察することで、徐々にターゲットを絞る。そのためにまず、駅前の人びと、物件周辺の人びと、商業施設周辺の人びとを徹底して観察するのだ。

次に、地図を見ながら立地を確認していく。駅から近いのか遠いのか、

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