『ロングテール 「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』
(クリス・アンダーソン/著)

 

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『フリー』『MAKERS』など、未来を形作る本質的なテーマを次々と発表してきたクリス・アンダーソン(雑誌Wired米国版元編集長)氏の出世作であり、原点ともいえるベストセラーの文庫版。本書で初めて提唱された『ロングテール』とは、商品の人気(売り上げ)を縦軸、種類を横軸にとった横長のグラフの形から名付けられたコンセプトである。

多くの市場はごく一部のヒット作品(ヘッド部分)と、それに連なる圧倒的多数の不人気作品(テール部分)によって成り立ち、テール部分の売上は、実店舗の売り場面積などの制限から、20世紀を通じて殆ど無視されてきた。しかし著者は、IT技術の進化によって、テール部分がヒット作品群に匹敵する巨大な市場であることを明らかにする。

このロングテール理論により、コンテンツ産業やウェブサービスにとどまらず、文化、果ては国際的テロリスト集団の勢力増大まで多くの社会的事象の本質と、その未来が予測できる。アマゾンやイーベイ、グーグルなど現在も大きな影響力を持つウェブサービス事例も数多く紹介され、業種を問わずすべてのビジネスパーソンが理解しておくべき必読書である。


著者:クリス・アンダーソン
1961年ロンドン生まれ、ジョージ・ワシントン大学で物理学の学位を取得し、量子力学と科学ジャーナリズムをカリフォルニア大学バークレー校で学ぶ。ロス・アラモス国立研究所、雑誌『ネイチャー』や『サイエンス』、『エコノミスト』を経て、2001~2012年『ワイアード』誌の編集長を務める。
2006年に刊行した本書で、インターネットがもたらした流通の新潮流を鋭く指摘し、世界中で注目される。その後『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(2009年)、『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』(2012年)など、新しいビジネスモデルについて著し、いずれも世界的ベストセラーとなる。2009年、自動操縦機能がある模型飛行機などをつくるモノづくりベンチャー企業3D Roboticsを設立、CEO就任。
出版:早川書房
第1章  ロングテール ~大衆市場から無数のニッチ市場へ
第2章  ヒットの興亡 ~融通がきかない文化に縛られて
第3章  ロングテール小史 ~通販カタログからショッピングカートまで
第4章  ロングテールの三つの追い風 ~つくる、世に送り出す、見つける手助けをする
第5章  新たなる生産者たち ~生産手段を手にしたアマチュア・パワーをあなどるな
第6章  新しい市場 ~ヘッドからテールまで呑みこむ集積者
第7章  新たな流行発信者 ~蟻がメガホンを手に入れた唾
第8章  ロングテール経済 ~潤沢と希少
第9章  短いヘッドの世界 ~商品スペースですべてが決まる
第10章  何でも手に入る時代~選択肢がわんさとあるのはいいことだ
第11章  ニッチ文化とは~ロングテールに生きるということ
第12章  無数のスクリーン ~ポスト・テレビ時代の映像はどうなる
第13章  エンタテインメント以外のロングテール市場 ~ニッチ革命はどこまで広がるのか
第14章  ロングテールの法則~消費者天国をつくるには
第15章  マーケティングのロングテール~「売りこみ」はもう通用しない
結び   テールの未来
解説   アンダーソンが見た潤沢化する世界とその未来/小林弘人
推薦者コメント
atsushi yamada山田淳<株式会社フィールド&マウンテン 代表取締役>
東京大学在学中、当時最年少となる七大陸最高峰制覇を実現。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、株式会社フィールド&マウンテンを設立。東洋経済オンライン「新世代リーダー50人」選出。(>>推薦書籍一覧

ご存知、クリスアンダーソンの名著。ネットで起こっているいろいろなイノベーションの原理的な説明となっている部分が多く、書かれてからすでにかなりの年数が経っていることに驚きます。

この本はECのみならず、最近のさまざまなネットビジネスの動きの説明となるモノだと私は思います。ロジックから入るのは決して運用していく上で必要なことではありませんが、ロジックを知っているか知らないかで学びのスピードは変わると思います。(山田淳)

要約ダイジェスト

ロングテール ー 大衆市場から無数のニッチ市場へ

20世紀のエンタテインメント産業がヒットで成り立っていたなら、21世紀にはニッチで成り立つようになるだろう。長い間、僕たちは大衆の最低水準に合わせた商品を押しつけられても堪え忍んできた。

物理の法則はエンタテインメントに致命的な限界を強いる。旧来の店舗型小売業者の問題点は、店舗周辺の地域内だけで顧客を見出す必要があることだ。レコード店、ビデオレンタル店、ゲームソフト店、書店などどんな店舗でも、維持にかかるコストを回収できるコンテンツしか置かない。

もう一つの物理的制約は物理の性質そのものだ。決まった数のラジオ局、

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