『CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる』
(J.C.カールソン/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次

約10年に渡りCIA諜報員として秘密活動に従事し、現在は作家として活躍する著者が、スパイ(文中では諜報員)の情報収集や交渉スキルを、ビジネスパーソンに役立つ形でまとめた一冊。組織としてのCIAの危機対応や人事(採用)戦略など、他書ではあまり見ることができない内容も解説されたユニークな内容となっている。

著者によれば、ハリウッド映画で描かれるCIAの姿は98%までが脚色されたものであり、実際の仕事はもっと人間くさく泥臭いものであるという。数々のテクニックが紹介されているが、最新の機器やデータではなく「人」から得た情報が、今も昔も最も価値が高いという点で通底している。本書は暴露本ではなく、それゆえ一般の読者にも知的好奇心以上のものが得られるだろう。


著者:J.C.カールソン
作家。元CIA諜報員。大学卒業後、スターバックス、バクスターインターナショナル(製薬会社)、テクトロニクス(計測器メーカー)などの名門企業を経てCIAに入庁。諜報員として10年近く勤務したのち、作家に転身。著書に『マントとヴェール(Cloaks and Veils)』(未邦訳)などがある。

翻訳:夏目 大
翻訳家。1966年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。大手メーカーにSEとして勤務したあと、翻訳家に。現在、翻訳学校フェロー・アカデミーの講師も務める。訳書に『人類が絶滅する6のシナリオ』(河出書房新社)、『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 3』(共訳、早川書房)、『ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト』(講談社)など多数。

解説:佐藤 優
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。2006年に『自壊する帝国』で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。著書に『読書の技法』『獄中記』『交渉術』『外務省に告ぐ』『人に強くなる極意』など多数。
出版:東洋経済新報社


【第1部 CIA諜報員の基本テクニックを身につける】
第1章 CIA諜報員のテクニックはビジネスに活かせる
第2章 CIA諜報員が身につけている基本テクニック
第3章 内外の敵から情報を守る技術

【第2部 CIAの組織能力に学ぶ】
第4章 CIAが実践している採用・人事戦略
第5章 CIA諜報員が不要なウソをつかない理由
第6章 CIAが実践している危機管理術

【第3部 CIA諜報員のテクニックを応用する】
第7章 CIA諜報員が実践している説得術─人脈構築術から交渉術まで
第8章 業者に不祥事を起こさせないために─サプライチェーンでの諜報活動
第9章 敵と関わる技術、敵を味方にする技術─社内での競争、他社との競争にどう勝つか

Check Point

  • 諜報員は聞きたいことを直接尋ねるのではなく、油断させて複数の質問から断片的に回答を引き出し、つなげることで完璧な回答にしてしまう
  • 9.11テロ後のCIAは大きな混乱の中にあったが、外向きの目的思考、通常通りの業績査定、包み隠さない情報共有、幹部へのアクセスしやすさを保つことで職員の士気を維持した
  • CIAが薄給で優秀な人材を集められる要因には、使命、他ではできない経験、若手に大きな仕事を任せる、機能別横断チームなどの特徴がある

要約ダイジェスト

CIA諜報員が身に付けている基本テクニック

知りたいことを直接尋ねずに、相手から話させる

CIAのような諜報組織が最も頼りとするのは、人間の知性である。活動の目的は、通常、「何らかの機密情報を得ること」である。機密情報で最も重要なのは人間と話をして直接得る情報だ。それも一次情報をもっている人から直接得た情報でなくてはならない。

ハリウッド映画には、CIA諜報員が相手を脅すような手荒な尋問をして必要な情報を手に入れる場面がよく出てくる。しかし実際のCIA諜報員は、そういうことはまずしない。向こうが話すように誘い出すといったほうが正確かもしれない。

諜報員は多くの場合、聞きたいことを直接尋ねずに、相手が自分から話をするように仕向ける。無難で警戒心を抱かせないような質問をしているうちに、相手は直接尋ねたとしたら

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集