『達人のサイエンス―真の自己成長のために』
(ジョージ・レナード/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 アメリカ教育界で名を成し、合気道を極めた人物でもある著者が、様々な業界で活躍する「達人」と呼ばれる人々の共通点と「達人(マスタリー)への道」を解き明かした一冊。現代社会ではとにかく成果がもとめられるが、なかなか結果がでないとき、どのようにそれを乗り越えればよいのだろうか。

 そうした時、達人は、上達が感じられないプラトー(学習が伸び悩んでいる時期)状態ですら、マスタリーの一部として楽しむという。つまり達人にとってはマスタリーの道のりそのものがゴールなのだ。

 本書は90年代にアメリカで出版されているが、当時全盛だったアメリカ的成果主義を批判し、むしろ現在注目されているような東洋的で永続的なアプローチを提唱している。それが今なお本書が説得力を持っている理由である。武道などに限定される考え方ではなく、仕事や人生全般に応用でき、かつ日本人にとっても納得感の高い内容となっている。

著者:ジョージ・レナード(George Leonard)
 1923年生まれ。1953年から1970年まで「ルック」誌の編集局次長をつとめ、アメリカの教育問題に関するレポートで多くの賞を受賞。80年代には「エスクァイア」誌に数多くの寄稿をし、連載記事「究極のフィットネス」は本書の母体となった。合気道五段の腕前を持ち、カリフォルニア州で「タマルペイス合気道道場」を主宰、指導にあたる。人間性心理学協会元会長、ITP(Integrative Transfomative Practice)共同創立者、エサレン研究所所長。『魂のスポーツマン』(邦訳、日本教文社刊)『サイレント・パルス』『エンドオブセックス』(邦訳、工作舎刊)『学習とエクスタシー』(邦訳、黎明書房)、『与えられし生命』『合気道の道』などの著作がある。

翻訳:中田康憲

第1部 達人の旅
・「マスタリー」とは何か?
・ダブラー、オブセッシブ、ハッカー―マスタリーに到達できない三つの典型的なタイプ
・マスタリーの道とアメリカとの戦い
・プラトーを好きになるには
第2部 達人への五つのキーポイント
・指導
・練習と実践
・自己を明け渡すこと
・思いの力
・限界でのプレイ
第3部 マスタリーへの旅じたく
・決意がくじける理由―
・マスタリーのエネルギーを得るために
・マスタリーの道での落とし穴
・平凡なことをマスターする
・旅の準備
推薦者コメント
kensuke furukawa古川健介<株式会社nanapi 代表取締役>
2000年に学生コミュニティであるミルクカフェを立ち上げ、月間1000万pvのサイトに成長させる。2004年、レンタル掲示板を運営する株式会社メディアクリップ代表取締役社長に就任。翌年、株式会社ライブドアにしたらばJBBSを事業譲渡後、同社にてCGM事業の立ち上げを担当。2006年、株式会社リクルートに入社、新規事業立ち上げを担当。2009年に退職し、Howtoサイト「nanapi」を運営する株式会社ロケットスタート(現・株式会社nanapi)代表取締役に就任。(>>推薦書籍一覧

いわゆる達人になるには、どうしたらいいのかが科学的に書かれている本です。何かをはじめて、何かをマスターしていくには、長い時間がかかります。
 成長が感じられず、なかなかモチベーションを保てない時もあると思います。そんな人のために、この本を読むと、どうすればいいのか、今どういう状況なのかがわかっておすすめです。(古川健介)

Check Point

  • マスタリー(Mastery)とは「困難だったことが、練習や実践を重ね簡単なものに変わるプロセス」である。達人はプラトー(学習の停滞期)を含めた永続的な修行のプロセス自体を楽しんでいる。
  • 正しい指導を受ける/練習し続ける/初心に戻る/思いの力を活かす/限界でプレイするの5つが達人たちの学習方法の共通点である。
  • 学習が続かないのは、ホメオスタシス(恒常性)の働きである。これは変化の良しあしを問わず、変化へ抵抗する機能であり、精神、肉体、個人、組織でも同様に作用する。

要約ダイジェスト

達人の旅

「マスタリー」とは何か?

 マスタリー(Mastery)とは、「初めに困難であったことが、練習や実践を重ねるにしたがい、しだいに簡単で楽しいものに変わっていく不思議なプロセス」である。

 人生における成功や理想の実現になにか王道があるとするなら、それは終ることのない長期のマスタリーのプロセスにあるといえよう。それは豊かな成果をもたらすが、目的地や終点なのではなく、むしろ一つの過程であり旅なのだ。この旅が「マスタリー」と呼ばれるものである。

 たとえばあなたは、選手に手本を示すのが上手だと評判になっているインストラクターやプロを探し、週に三回はテニスコートに通おうと決心する。もうこの段階で、あなたはマスタリーの道に立っている。

 最初は赤ん坊が歩き方を習うような感じだ。先生はラケットの握り方をやって見せ、

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