『禅脳思考 禅的な脳を使って最高の自分を引き出す方法』
(辻秀一/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)

 「ポジティブ思考」はスポーツやビジネスに限らず市民権を得ている。しかし、「一生懸命やっているのに、なかなか結果が出せない」という方は多いのではないだろうか。本書はメンタル・トレーニングを専門とするスポーツドクターである辻秀一氏が、ポジティブ思考の限界を脳科学から解き明かし、安定して高いパフォーマンスをあげるための「禅脳思考」を解説した一冊である。

 人間は脳の「認知」機能の発達により文明を発達させてきたが、その認知機能は諸刃の剣で、様々な経験にネガティブな「意味づけ」をして、不安や憂鬱をも生み出してしまう。ネガティブな意味付けを再解釈するポジティブ思考が流行する要因もそこにある。しかし大リーグのイチロー選手やスティーブ・ジョブズなど、圧倒的な成果をあげる人間に共通するのは、起こった出来事の意味を無理やり書き換えるのではなく、あるがままに受け取り、「揺らがず」「とらわれない」心の状態だという。そのために心を整える技術が「禅脳思考」である。


著者:辻秀一(つじ・しゅういち)
 スポーツドクター。株式会社エミネクロス代表。1961年生まれ。慶應義塾大学病院内科、同スポーツ医学研究センターを経て独立。応用スポーツ心理学とフロー理論を基にしたメンタル・トレーニングによるパフォーマンス向上が専門。セミナー・講演活動は年間200回以上。フローマインド・マネージメント協会の代表として資格制度を2014年秋より開始。継続的サポートとして監査法人トーマツ、(株)ディスコ、豊通ケミプラス(株)、関西電力ボート部、三菱重工相模原ラグビー部、プロテニスプレーヤー、Jリーガー、プロゴルファーなど多数。

 また、プロバスケットボールチーム「東京エクセレンス」を立ち上げ、2013年10月よりNBDLに新規参入。運営母体の一般社団法人カルテイベイテイブ・スポーツクラブの代表としてスポーツを文化にするためのさまざまな活動を行なう。35万部突破のベストセラー「スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル)、『ゾーンに入る技術』(フォレスト出版)、『自分を「ごきげん」にする方法』(サンマーク出版)など著書多数。

出版:フォレスト出版


序章  なぜ「ポジティブ思考」をする人は、伸び悩むのか?
第1章 自分にウソをつくから、パフォーマンスが下がる
第2章 折れない心をつくる禅脳思考
第3章 「緊張」「不安」「憂鬱」を切り替える方法
第4章 仕事で最大のパフォーマンスを発揮する方法
第5章 人間関係を好転させる生き方
第6章 人生を豊かにする生きる心のあり方

Check Point

  • プラス思考やポジティブ思考は、ウソで現実を書き換えることであり、「揺らがず」「とらわれず」にパフォーマンスが最大化されるフロー状態にはなりにくい。
  • 人間の脳の第一の機能である認知機能による評価、比較、分析などの思考が、心に「揺らぎ」「とらわれ」を生じさせる。禅的な思考の基本は、「意味付けしている自分に気づく」ことだ。
  • 心を整える禅的な脳と、するべきことを明確にする認知脳の2つ脳を働かせる(バイブレイン)ことにより、行動と心を分けて対応でき、パフォーマンスは向上する。

要約ダイジェスト

ポジティブ思考の限界

私たち人間には、人間固有の結果にこだわるような脳の仕組みが育まれている。しかし、結果は自分の能力だけでコントロールできない。なぜなら、人間関係や偶然など、さまざまな要素が絡み合っているからだ。だから、結果を得るためにあなたが意識すべきことは、「結果を得よう」とすることではなく、「自分の能力を常に最高に引き出す」ことである。

パフォーマンスには、2つの要素がある。ひとつは、結果を得るために何をするべきか。もうひとつが、それをどんな心の状態で行なうのか、ということだ。「やるべきことをどのような気分でするのか」という心の状態は、パフォーマンスの質に強く影響するのである。

現代社会には、ポジティブ思考をすることで、心の状態をいい方向に持っていこうとする風潮がある。例えば、電車に乗り遅れたときに、「この電車に乗り遅れたおかげで、次の電車が来るまで休憩できる」という具合である。しかし、このような考え方には無理がある。

本当は電車に乗り遅れたことに意味などないと、自分自身が知っているからだ。ただ単に、家を出る時間が遅かったから、電車に乗り遅れただけなのだ。つまり、ポジティブ思考は、ウソで現実を書き換えようとすることでもあるので、実は心が乱れ、

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