『星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則』
(中沢康彦/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)

 成長著しい「星野リゾート」を経営する星野佳路社長が、経営の「教科書」にした経営書を、自社の抱えていた課題事例とともに解説した一冊。いわゆる経営学の理論は「実践の役に立たない」と切り捨てられることもある。

 しかし、星野社長は戦略策定、マーケティング、組織改革などにおいて、徹底して理論に忠実な経営を行ってきたという。それは「一部を実行するだけでは教科書を実践したことにならない」という星野社長の言葉にも表現されている。

 本書ではポーターの『競争の戦略』、『コトラーのマーケティング・マネジメント』、『ビジョナリー・カンパニー』、『真実の瞬間』といった経営の古典的名著から、『代表的日本人』などリーダーとしての生き様を問う書籍まで30冊が紹介され、本書自体が知識を知恵として使うための実践的な教科書となっている。


著者:中沢康彦
1966年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。新聞社記者を経て日経BP社に入社。「日経ビジネス」記者などを経て、現在、「日経トップリーダー」副編集長
第1部 星野佳路社長が語る教科書の生かし方
―定石を知り、判断ミスのリスクを最小にする
第2部 教科書通りの戦略
―難しそうに見えて、実は効果的である
第3部 教科書通りのマーケティング
―「やるべきこと」をやり切ればすべてが変わる
第4部 教科書通りのリーダーシップ
―すぐに成果は出ないが、必ず成果は出る
第5部 教科書通りに人を鍛える
―「未経験者歓迎」で成長できる理由
推薦者コメント
atsushi yamada山田淳<株式会社フィールド&マウンテン 代表取締役>
東京大学在学中、当時最年少となる七大陸最高峰制覇を実現。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、株式会社フィールド&マウンテンを設立。東洋経済オンライン「新世代リーダー50人」選出。(>>推薦書籍一覧

 ビジネス書の教科書ガイド的な本。特に、理論が詰まったビジネス書をどう実践まで結びつけるか、の星野氏のノウハウが詰まった本で、ビジネス書を読み込む時に、理論が上滑りしない方法が詰まっている。

推奨読者:
 本を読み込んでいるが、実践までたどり着いてない人。特に若手ビジネスパーソンには、意思決定権の範囲の問題で、高尚な古典的ビジネス書を読んでも実践の場がない人もいるのではないでしょうか。本を読み、どう実践し、どういう風に現場が変わったか、をリアルに伝えています。
(山田淳)

Check Point

  • 星野社長は就任以来、経営書をひもとき、「教科書通り」経営してきた。定石的に経営したほうがリスクを最小化でき、意思決定の迷いや行動のぶれも少なくなるからである。
  • 個人客の増加という旅行環境の変化で低迷していた「華仙亭有楽」の再生にあたっては、ポーターの競争戦略論通り「集中」と「コストリーダーシップ」に舵を切って、個人客向けの高級旅館として再生を果たした。
  • 経営改革を進め退職者が続出した際には、K・ブランチャードの理論通り、トップダウンからエンパワーメント(人が本来持つ知識や意欲などのパワーを引き出す)へとマネジメントを変化させ危機を乗り越えた。現在ではすべての旅館でエンパワーメントのスタイルがとられている。

要約ダイジェスト

星野佳路社長が語る 教科書の生かし方

 私は1991年に星野リゾートの社長に就任して以来、経営学の専門家が書いた「教科書」に学び、その通りに経営してきた。「教科書の理論なんて机の上でしか通用しない」と思う人がいるかもしれない。しかし、私はこれまでの経験から「教科書に書かれていることは正しく、実践で使える」と確信している。

 私が教科書通りの経営を実践しているのは、経営判断を誤るリスクを最小にしたいからだ。囲碁や将棋の世界の定石と同じように、教科書に書かれている理論は「経営の定石」である。何も知らないで経営するのと、定石を知って経営するのでは、おのずと正しい判断の確率に差が出る。

 経営判断の根拠や基準となる理論があれば、行動のぶれも少なくなる。基準を持たない経営判断では、すぐに良い結果が出ないと、「自分の判断が間違っていたのではないか」と疑心暗鬼になる。何とかして短期的に改善したくなり、それが経営のぶれを生むのだ。

 教科書通りの経営の第一歩は、

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