『企業参謀―戦略的思考とはなにか[新装版]』
(大前 研一/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 本書は、日本を代表する経営コンサルタント大前研一氏の出世作であり、シリーズ累計発行部数 50万部を超えるベストセラー『企業参謀』と『続 企業参謀』をあわせて新装版にした大著だ。ロジカルかつ戦略的に思考し、問題解決することの本質が解説されており、40年前に書かれたとは思えない内容に驚かされるはずだ。

 企業参謀、つまり「戦略的思考家」を目指すための基本の心構えから、イシューツリー、プロフィットツリー、KSF(Key Success Factor)、ポートフォリオ管理(PPM)理論や、戦略的事業組織(SBU)、そして実際のケーススタディまでがまとめられ、経営を志す人間ならば必読の教科書的一冊となっている。

 本書には戦略立案プロセスも具体的に示されているが、注目すべきは「革新をついた設問」からスタートする、その根源的な思考プロセスであろう。事例はもちろん最新のものではないが、その分普遍的な原理原則が際立る。一読すれば本書が今なお世界中のビジネススクールや企業研修の教科書として用いられていることに納得できるはずだ。

 著者の大前研一氏はマサチューセッツエ科大学(MIT)で博士号取得後、日本の戦略コンサルタントの先駆けとしてマッキンゼー・アンド・カンパニー・インクで日本支社長、本社ディレクター、アジア太平洋地区会長を歴任。現在はビジネス・ブレークスルー(BBT)代表取締役、BBT大学学長などを務め、後進の育成にも尽力している。


著者:大前研一
 1943年福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、72年マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。日本支社長、本社ディレクター、アジア太平洋地区会長などを歴任。94年マッキンゼーを退職。
 96年起業家養成学校「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を開設し塾長に就任。96~97年スタンフォード大学客員教授、97年カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院公共政策学部教授。2001年より豪ポンド大学教授。05年に日本初の遠隔教育法による経営大学院「ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学院大学」設立、学長に就任。10年グローバル経営学科などを加えてBBT大学に改組
出版:プレジデント社

第1部 戦略的思考とはなにか
戦略的思考入門
企業における戦略的思考
戦略的思考方法の国政への応用
戦略的思考を阻害するもの
戦略的思考グループの形成)

第2部 戦略的経営計画の実際
戦略的に考えるということ
”低成長”とはなにか
戦略的思考に基づいた企業戦略
戦略的計画の核心
先見術

推薦者コメント
masumi sai崔 真淑< マクロエコノミスト/Good News and Companies代表>
大和証券SMBC金融証券研究所(当時)にて、資本市場分析に携わる。2012年に退職。現在は日経CNBC経済解説委員、東京証券取引所資本市場講師、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員として活躍。(>>推薦書籍一覧

 元祖!戦略的思考本。コンサルタントやビジネスパーソンに必須の経営計画、組織、事業ポートフォリオの考え方の基礎が詰まっている。初版は1975年と数十年前に出版された本だが、内容は色褪せていない。問題解決には、じっくりと物事の本質を捉えるのが一番の近道。そのための基礎的思考法を教えてくれる一冊。

推奨読者:
 複雑な問題や状況に臆することなく向かっていきたいという人。その他、これまで様々なロジカルシンキング本に手を出したものの、感触がつかみ切れていないと言う人には、是非読んで欲しい。(崔真淑)

Check Point

  • 「戦略的」思考の根底にあるのは、一見混然一体となっている事象を分析し、ものの本質に基づいてバラバラにしたうえで、それぞれの持つ意味あいを最も有利となるように組み立てることだ。
  • 思考結果が核心をついているか否かは、「設問が解決策志向的か」に左右される。「残業を減らすにはどうするか?」は表面的であり、本質的な問いは「当社は仕事量に対して十分な人がいるのか?」である。
  • 設問が的を射ているためには、問題点が正しく把握することが決め手となる。そのため抽象化のプロセス(問題点を網羅した後、共通項でグルーピングする)が必須となる。

要約ダイジェスト

戦略的思考入門

戦略的思考とは何か

 先日ある旅行会社から、週末に風光明媚なところでスポーツを楽しもうという案内をもらった。ゴルフ、テニス、サイクリングなど何でもできる伊勢志摩国立公園へ、土曜朝9時にバスで東京を出発、その日の夕方6時に宿舎に入り、翌朝午前中はスポーツ、2時半にバスで出て、夜の9時半に東京着という強行軍である。

 パンフレットの強調する自然を楽しむ時間が少ないのではないかと思い、分析すると、案の定時間の半分近くを乗物にとられ、肝心のスポーツをやる時間は最大でも5時間で、

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