『藁のハンドル』
(ヘンリー・フォード/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 アメリカの自動車王ヘンリー・フォードは、今日の資本主義の基礎を築いた起業家の一人であり、大企業とサラリーマンを地球上に初めて発生させた人物である。彼は、「大企業の目的とは、人々が辛い労働から解放され、生活を楽しめるようにすることだ」という信念を持っていた。経営者であり企業家である著者が、自身の半生をふり返りながら語る経営理論は、ユニークで情熱的である。

 本書は、「企業は大衆がつくるものである」という考え方を基本とし、国のため、大衆のためになる企業をつくろうとした著者の熱意があふれる一冊となっている。働き方、経営の仕方に悩みを持つ人にとっては、力強いエールとなってくれるだろう。また、これから企業の一員として働くであろう学生の方にも一読をお薦めしたい良書である。

著者:ヘンリー・フォード
 フォード・モーターの創業者であり、T型フォードは、世界で累計1,500万台以上も生産され、庶民に車をもたらし、産業と交通に革命をもたらした。安価な製品と労働者の高賃金を維持する「フォーディズム」などの経営革新や、ライン生産方式など製造業における多くの技術革新を起こした。フォード社の成功で世界有数の大富豪となる。

翻訳:竹村 健一

第1章 サービス精神こそ大企業の基礎
第2章 物より人が大事である
第3章 余暇の創造こそ産業の使命
第4章 私の「新・国富論」
推薦者コメント
金城 拓真< 津梁貿易株式会社 代表取締役>
アフリカ9ヵ国にて、金取引、農場経営、不動産等、50社以上の独立企業を経営。日本における「アフリカン・ビジネスの第一人者」のひとり。現代ビジネス「EPOCH MAKERS 2020」選出。(>>推薦書籍一覧

 20世紀初頭に自動車産業に革命を起こしたヘンリーフォードの経営思想本です。大経営者の自伝や説話は多く残っていますが、本人の書いた経営思想というのは数が少なく、その分際立って面白いです。20世紀初頭に書かれた本書から学ぶべきことが現在でも多いように感じます。

推奨読者:
 起業して、将来自身の会社を大企業に匹敵させたいと考えている人であるなら必読であると思います。

Check Point

  • 20年足らずで20万人以上の雇用を生んだフォード社の発展の基礎は、「賃金動機」(高賃金支払いと低価格販売により、自社の従業員、そしてアメリカ社会全般の購買力を高める)というコンセプトであった。
  • 賃金を引き下げは労働を減少させ、不況の要因となる。高賃金低価格化こそが、供給だけではなく、消費者の創造・顧客の増大につながる。
  • フォード社では、「できない」と言われることを「やってみよう」というのがモットーだ。だから、同社では熟練工には作業を任せても指揮は任せない。熟練工は「できない」ことをあまりに多く知りすぎているからである。

要約ダイジェスト

サービス精神こそ大企業の基礎

起業家を支える精神

 今日(1926年、執筆当時)では、働く気のある者には誰にでも生計の道を与え、貧困を追放できる、実証ずみの多くのアイディアが生まれている。一つのアイディアを例に挙げよう。小型で、丈夫で、シンプルな自動車を安価につくり、しかも、その製造にあたって高賃金を支払おうというアイディアである。

 1908年、私たちは現在と同じタイプの小型車第一号を世に送り、フォード社はわずかな人々しか雇っていなかった小工場から、20万人以上の人々を直接雇用する一大事業へと成長し、しかも従業員は一人残らず、最低日給六ドルの賃金を受け取っている。

 以上の数字は、なにもわが社を誇示するために挙げたのではない。特定の人間や、特定の企業を問題にしているのではなく、企業家にとって、新たなる産業を興すのに必要なアイディアというものについて考察

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