『全員で稼ぐ組織~JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書』
(森田 直行/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 2010年1月、会社更生法の適用を申請し事実上経営破たんした日本航空(JAL)の会長兼CEOに稲盛和夫京セラ名誉会長が就任した。政府と企業再生支援機構の強い要請を受けて取り組んだ JAL再建の切り札となったのが、京セラの経営管理手法「アメーバ経営」だ。

 アメーバ経営の最大の特徴は、会社組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分け、各アメーバのリーダーがまるで経営者のように小集団組織の経営を行うことである。自分たちの努力の結果がすぐに数字に表れ、目標必達という厳しい面がある一方で、年功序列に近い給与体系などを備え、大家族のように社員全員で物心両面での幸せを目指すという「人間本位」の経営手法でもある。

 本書は、京セラ代表取締役副会長などを歴任し、稲盛氏とともにアメーバ経営を普及させてきた著者が、アメーバ経営の仕組みと具体的な実践方法を経営者向けに本格的に解説した初めての書籍となっている。

著者:森田直行(モリタ ナオユキ)
 KCCSマネジメントコンサルティング(KCMC)会長。鹿児島大学卒業後、1967年、京都セラミック(現・京セラ)に入社。アメーバ経営の仕組みと情報システムの確立・推進を担当。1995年、社内ベンチャーとして始めた事業をベースに京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)を設立、社長に就任(現相談役)。2006年、京セラ代表取締役副会長、同年 KCMCを設立、社長に就任(2011年より現職)。
 経営破綻した JALグループの再建に参画、副社長として稲盛和夫京セラ名誉会長とともに部門別採算制度の導入による経営改革を実行し、再建に貢献した。2012年、中国に京瓷阿美巴管理顧問(上海)有限公司を設立し、董事長に就任。アメーバ経営の伝道に日々心血を注ぐ。
第1章 アメーバ経営とはどんな経営手法なのか
第2章 JAL再生
第3章 導入事例に学ぶアメーバ経営
第4章 アメーバ経営は業界の枠を超える
第5章 世界に広がるアメーバ経営
付録1 早わかりアメーバ経営
アメーバ用語集

Check Point

  • アメーバ経営では、採算部門の組織を5~10人という小さな単位(アメーバ)に細分化し、独立採算で運営する。各アメーバの収支は、毎月オープンにされ、全社員が利益を意識し、それを生み出す意欲と責任を感じる組織を実現する。
  • 儲かる会社と儲からない会社の差はリーダーの差である。それゆえアメーバ経営導入の際は、他人からついていきたいと思われる人間になるにはどうしたらよいかといったリーダー教育を含めた理念(フィロソフィ)教育も重点的に行う。
  • 成果主義では景気低迷などの局面で年収は大幅ダウンになり、最も踏ん張らなければならないところで、モチベーションがどんどん低下してしまう。全員参加の経営を目指すアメーバ経営は、景気が停滞し始めた中国でも受け入れられつつある。

要約ダイジェスト

アメーバ経営とは、どんな経営手法なのか?

社員全員が経営に携わるために

 アメーバ経営とは、京セラの創業者である稲盛和夫名誉会長が企業経営の実体験から編み出した経営手法で、「経営は一部の経営トップのみが行うのではなく全社員が関わって行うべきだ」という考え方が貫かれている。

 この経営手法の最大の特徴は、採算部門の組織を5~10人という小さな単位(アメーバ)に細分化し、それぞれが一つの会社のように独立採算で運営されることだ。各アメーバの売上、利益、経費などの収支は、月が終わると直ちに集計され、全社員にオープンにされる。

 これにより、経営者はどの部署がどのくらい儲けているか一目瞭然でわかり、社員も自分がどれだけ利益に貢献できたかがわかる。その結果、社員一人ひとりが利益を意識し、それを生み出す意欲と責任を感じるようになるのだ。

 アメーバ経営では、リーダーの判断によって、必要に応じ他のアメーバから人員を借り受けるなどで構成人数も変わり、業務のやり方も創意工夫をどんどん取り入れ進化する。組織の形や働き方を自律的に変えながら、環境変化にすばやく対応していくところが、アメーバと名づけられたゆえんである。

 企業経営で最も大事なことは、そこで働く人々の生活を守り続ける

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集