- 本書の概要
- 著者プロフィール
喘息持ちの少年だったゲバラは、貧困にあえぐ南米大陸へのオートバイでの旅、盟友フィデル・カストロとの出会いを経てキューバ革命を成功させる。本書ではその後新たな革命を目指して南米ボリビアへ旅立ち、その地でゲリラとして最後を迎えるまでが丹念に描かれ、”事を成し遂げる”とはどういうことか、また”真のリーダーシップ”とは何かを考えさせる出色のノンフィクションノベルとなっている。
1948年東京生まれ。小説家、ルポライター。バイクを駆って各大陸を巡り、TVドキュメンタリーを制作する。著書多数。
第1章 喘息もちのテテ
第2章 二人のドンキホーテ
第3章 戻らぬ旅へ
第4章 フィデルという名の嵐
第5章 最高の戦士、最低の医者
第6章 革命という事業
第7章 終りのない旅へ

途上国における子ども達に、映像を用いた教育支援を行うプロジェクトを発足。2014年、世界銀行におけるイノベーションチャレンジにて最優秀賞に選出。東洋経済オンライン「新世代リーダー50人」選出。(>>推薦書籍一覧)
ゲバラ作家、戸井十月さんの作品です。臨場感満載で読んでいるだけでゲバラの人生を追体験できる僕の大好きな一冊です。第四章のゲバラとカストロがキューバ独立のためにグランマ号に乗り込むシーンが特に好きで、本来は八人のりのレジャーボートになんと82人!の戦士がが祖国解放のために乗船する。
それはまるで「難民を詰め込んだ漂流船』・・・最高です。結局キューバにたどりつけたのはたった12人。12人でどうやってキューバ政府と戦うのか。誰もが絶望に浸っているときにカストロが発した一言とは・・・?どうやってこの世界の不可能を可能にするのか、イノベーションの教科書です!
推奨読者:
ドンキホーテ的な壮大な夢や目標にチャレンジしたい人、
絶対無理だという状況をひっくり返したい人、
最近の生活にゲリラ的な要素を組み込みたい人。
要約ダイジェスト
サンタ・クララの青い空
キューバ中部の都市、サンタ・クララ。別名、「ゲバラ・シティ」。キューバ革命の成否を分けた「サンタ・クララの市街戦」の司令官は、チェ・ゲバラだった。1958年、ゲバラに率いられた部隊はバチスタ軍の多くの兵を捕虜にして武器を奪った後に、首都ハバナに攻めのぼった。
2002年7月。75歳(当時)になってなお走り続ける権力者、フィデル・カストロに会いたいが一心で私はキューバを旅していた。サンタ・クララが近づくと、赤茶色にくすんだ家並の先から巨大な銅像がある。台座の部分を含めると20メートルはある、チェ・ゲバラの立像だった。
偶像崇拝を嫌うキューバでは珍しい光景だ。「勝利よ永遠なれ」と刻まれた台座の上に立つ軍装のゲバラは、