- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者は90名におよぶ企業経営者や社会的リーダーたちへの綿密な調査から、リーダーの行動特性と、それが後天的に身に付けることができることを解き明かしていく。本物のリーダーとは何か?という問いはリーダーの役割とは何か?という問いと同義でもあり、「リーダー」と「マネジャー」の役割の違いが随所で明らかにされる。
前半で個人としてのリーダーシップの高め方について、後半で組織に力を与える(エンパワーメント)リーダーの在り方について詳細に説かれ、理論だけにとどまらない実践的な内容になっている。今後リーダーを目指す方にも、現在リーダーシップの発揮に悩まれている方にも役立つ一冊である。
南カリフォルニア大学リーダーシップ研究所教授、初代所長。ハーバード大学センター・フォー・パブリック・リーダーシップの諮問委員会委員長。レーガン、カーターなど4人の大統領顧問、国際的大企業や各国政府のアドバイザーを務めるなど、その多彩な活躍で世界中から尊敬を集めるリーダーシップ研究の第一人者
著者:バート・ナナス
南カリフォルニア大学経営学名誉教授。リーダーシップに関する著書多数
翻訳:伊東 奈美子
2.「人を率いること」と「自分を律すること」について
3.戦略I 人を引きつけるビジョンを描く
4.戦略II あらゆる方法で「意味」を伝える
5.戦略III 「ポジショニング」で信頼を勝ち取る
6.戦略IV 自己を創造的に活かす
7.「責任を引き受ける」ということ

株式会社アトラス、株式会社イオンフォレストでの経営職を歴任後、2009年、スターバックスコーヒージャパンの代表取締役CEOに就任。退任後、株式会社リーダーシップコンサルティングを設立、代表を務める。(>>推薦書籍一覧)
今まで読んだリーダーシップ関連の本でベスト5に入る好著。本書では5つの提言がなされるが、今までの自分の経験を照らしても、本書の提言は納得のいくものが多い。
①リーダーシップとマネジメントとは違う
②リーダーはメンバーに力を与える
③組織には全員が共有できるビジョンが必要である
④組織には信頼が不可欠である
⑤リーダーは物事の意味を伝えるそして「マネージャーは物事を正しく行い、リーダーは正しいことをする」。ビジネススクールでも、マネージャー教育はするが、リーダー教育はごく一部だ。今求めれられているのは、真のリーダー教育である。
ここの部分がいまの社会から欠けている部分であると感じる。どうしたら少しでもそこを埋めていくことができるか、本書はその意味でも非常に示唆が多い。(岩田松雄)
要約ダイジェスト
「人を率いること」と「自分を律すること」
変化の時代を理解し、そのよき一員となるために、我々はリーダーシップというテーマに着目した。リーダーシップこそ、進歩を成し遂げ、組織を発展、存続させるための鍵だと思うからだ。そこで、成功している企業経営者(社長、会長など)、公共セクターの卓越したリーダーの計90人にインタビューを行った。
すでに言い尽くされていることだが、すぐれた組織なしに現在の問題は解決できないし、すぐれたリーダーシップなしに組織は成功できない。資金が足りないなら融資を受ければいいし、立地が悪いなら移転すればいい。だがリーダーシップのない企業が生き残れるチャンスはほとんどない。
組織、とくに破綻しかかっている組織の多くは、行きすぎた