- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書においては、近年話題となっているオークション理論、ビッグデータ、行動経済学、という大きな最新テーマに加え、10の論点(育児休業、医療費負担など)、2013年ノーベル賞の解説という構成で、ビジネスパーソンなら押さえておきたい最新の経済学をめぐるイシューが網羅されている。著名経済学者へのインタビューと、気鋭の執筆陣によるわかりやすい解説で、経済学×ビジネスの最適な入門書となっている。
Chapter2:ビッグデータ
Chapter3:行動経済学
Chapter4:気鋭の論点
2013年ノーベル賞解説

大和証券SMBC金融証券研究所(当時)にて、資本市場分析に携わる。2012年に退職。現在は日経CNBC経済解説委員、東京証券取引所資本市場講師、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員として活躍。(>>推薦書籍一覧)
最先端の経済学理論をビジネスへの応用例を、わかりやすく教えてくれる一冊。経済学と聞くと、机上の空論でしょ?と感じる人は少ないないようです。しかし、読了後は、ビジネスにおける社会科科学の重要性を痛感するでしょう。
推奨読者:
経営学には興味はあるけど、経済学には興味がいまいち抱けない人。意外な視点が加わるはずです。
要約ダイジェスト
不合理と向き合いはじめた経済学
経済学がビジネスに生かせると言われても、半信半疑の読者が大半なのではないだろうか。経済学といえば「人間の合理性」を前提として、現実と乖離した市場分析ばかりしている。そんなイメージを持つ人も少なくない。
とはいえ、歴史的に、経済学が「合理的ではない人間」を無視してきたわけではない。京都大学大学院経済学研究科の依田教授は「経済学の父アダム・スミスは、人間の今日というものに十分関心を払っていたが、後を継いだ伝統的な経済学者たちが、わかりやすい部分のみモデル化していき、猥雑な部分を切り捨てた」と語る。
「行動経済学」や「組織の経済学」では人間の限定合理性や不完全な情報などを念頭に、組織の在り方や機能、改善方法を論理的に説明するモデルがつくられてきた。
また、市場の仕組みを新しく作り、いわゆる「市場の失敗」を減らしていこうという潮流もある。これは考え得るベストの結果に自動的に向かわせる仕組みを初めからつくってしまえばいいという発想で、「マーケットデザイン」と