- 本書の概要
- 著者プロフィール
2011年に経営破綻した岡山の名門企業・林原。4代目社長・林原健氏と専務である弟・靖氏は二人三脚で役割分担しながら経営を行い、同族経営の強みを最大限に発揮していたと思われていた。林原はなぜ、巨額の粉飾決算に手を染め、倒産してしまったのか。その原因の根底には、経営者兄弟の関係性、さらには林原家の特異性があった。
本書では林原家のルーツや社史に始まり、家族、特に弟との関係が赤裸々に語られ、経営危機が発覚してから倒産へ至る道も生々しく描かれている。日本は世界の中でも同族企業の割合が高い国である。本書は一企業の失敗の記録にとどまらず、すべての同族企業に警鐘を鳴らす、教訓に満ちた一冊である。
著者:林原 健
1942年(昭和17年)岡山市生まれ。61年、慶應大学在学中に父の死去に伴い、林原の4代目社長に就任。林原を研究開発型の世界的な食品素材、医薬品素材メーカーに育て上げる。2011年、会社更生法の適用を申請し辞任。
1942年(昭和17年)岡山市生まれ。61年、慶應大学在学中に父の死去に伴い、林原の4代目社長に就任。林原を研究開発型の世界的な食品素材、医薬品素材メーカーに育て上げる。2011年、会社更生法の適用を申請し辞任。
第1章 経営破綻の真相
中国銀行からの電話
経営破綻の発覚
銀行団の温度差…ほか
第2章 林原一族の宿痾
服従関係
士分を捨てた林原家
もう1人の弟との約束
林原コンツェルン…ほか
第3章 同族経営の是非
成功体験の始まり
長期の研究を選ぶ
社長の独断…ほか
中国銀行からの電話
経営破綻の発覚
銀行団の温度差…ほか
第2章 林原一族の宿痾
服従関係
士分を捨てた林原家
もう1人の弟との約束
林原コンツェルン…ほか
第3章 同族経営の是非
成功体験の始まり
長期の研究を選ぶ
社長の独断…ほか
要約ダイジェスト
「同族企業の雄」として持ち上げられた林原の実態
2011年、食品・化学・医薬品の原料メーカーである林原のグループ中核4社は、会社更生法の適用を申請した。100年以上の伝統を持つ名門企業は、4代目・林原健社長の代に経営破綻したのだった。
林原の起源は1883年、岡山の水飴製造業から始まり、3代目社長・林原一郎の手腕で発展し、国内随一の水飴・ぶどう糖メーカーとなる。その社長が1961年に急死した後、跡を継いだのが当時19歳だった著者・林原健氏であった。
粗糖の輸入自由化という危機に対し、著者は「独創的な新技術を作り出すために、同族経営の良さを最大限に極める」という
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