『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』
(遠藤 誉/著)

 

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  • 著者プロフィール
  • 目次
毛沢東になろうとして、それゆえに中国の権力中枢に駆け上がることに失敗した男、薄煕来。1984年、遼寧省大連市金県の副書記として政界に入ると、暴力団への接近、盗聴、5000億円ともいわれる不正蓄財といった手段を選ばぬ方法で「第2の毛沢東になる」野望をとげようとしていた。

しかし2012年、薄煕来に「チャイナ・ジャッジ」が下され、3月15日に重慶市書記を解任、4月10日には中共中央政治局委員と中共中央委員の職位も奪われ事実上失脚する。さらに同4月10日、新華社通信が「薄煕来の妻・谷開来をイギリス人殺人の疑いで拘束し、すでに司法に回した」と発表したことで、世界各国のメディアは騒然となる。中国、そして薄一家に何が起きていたのか?中国高官と太いパイプを持つ著者が薄煕来事件、そしてチャイナ・ジャッジの真相に迫る。

著者:遠藤 誉
1941年中国長春市生まれ。1953年日本帰国。筑波大学名誉教授。東京福祉大学国際交流センター長。理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授、国務院西部開発弁公室人材開発法規組人材開発顧問などを歴任
序章 チャイナ・ジャッジ、中国の審判
第1章 男の生い立ち、不倫婚
第2章 大連時代
第3章 1999年
第4章 遼寧省時代
第5章 商務部時代―運命の分岐点
第6章 重慶時代
第7章 チャイナ・ジャッジ
終章 世界を覆うチャイナ・マネー―裸官と投資移民
推薦者コメント
野間幹晴野間幹晴<一橋大学ICS准教授>
一橋大学大学院商学研究科にて博士号を取得後、2002年より横浜市立大学商学部専任講師に就任。2004年より一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)助教授を経て、2007年より現職。(>>推薦書籍一覧

中国をめぐるニュースがほぼ毎日のように流れている。経済的あるいは政治的に、日本と中国との関係が深まっているからであろう。本書は、重慶の公安局長がアメリカ領事館に逃亡した事件の背景を著者の知己から解き明かそうとしている。著者の提示する仮説に確証はないものの、強い説得力がある。

推薦読者:
中国ビジネスに関わるビジネスマン、外交に関わる政治家や官僚、学生の方々に読んでいただきたい。中国で起きる現象を説明するときに、国家目標などのマクロな観点からではなく、むしろミクロな個人の意図から説明を試みる方が合理的なことがあることに気づかせてくれる。

要約ダイジェスト

チャイナ・ジャッジ、中国の審判

2012年2月6日、重慶市の公安局長で副市長だった王立軍が、成都にあるアメリカ領事館に逃げ込んだ。王立軍は重慶市書記・薄煕来の右腕として暴力団撲滅に力を尽くしてきた共産党幹部の一人だ。地方政府とはいえ共産党の幹部が、こともあろうに「アメリカ」の領事館に逃げ込むなどということは、中華人民共和国誕生以来の出来事だ。

逃亡理由は薄煕来に暗殺されそうになったからだという。その薄煕来は

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