- 本書の概要
- 著者プロフィール
両氏は日本の伝統的仏教と二人が体験した海外の仏教、そして自分たちが現在開拓しつつある仏教、という三つの仏教のことを「仏教1.0」「仏教2.0」「仏教3.0」という造語を用いて語る。
両氏はこの二十年ほど、それぞれ独自に仏道の探求をしてきたにもかかわらず、驚くほど類似した立場に辿り着いた。それを彼らは「仏教3.0」と呼ぶが、実はそれこそが、釈迦が説いた仏教への回帰だった。
一九五四年愛媛県生。曹洞宗国際センター所長。東京大学大学院教育心理学専攻博士課程を中途退学し、曹洞宗僧侶となる。八七年よりアメリカのヴァレー禅堂で禅の指導を行う。NHK「こころの時代」に出演、反響を呼ぶ。
著者:山下良道
一九五六年東京都生。スダンマチャーラ比丘。鎌倉一法庵住職。東京外国語大学仏語科卒業後、曹洞宗僧侶となる。八八年、アメリカのヴァレー禅堂で布教、のち京都曹洞禅センター、渓声禅堂にて坐禅指導を行う。二〇〇一年ミャンマーにて比丘となり、日本人として初めてパオ瞑想メソッドを終了。現在は鎌倉一法庵を拠点として、日本各地、インド、台湾、韓国などで坐禅瞑想指導を行う。
出版:幻冬社
第一章:僕たちはなぜ安泰寺で出会ったか?
第二章:「アメリカ仏教」からの衝撃
第三章:マインドフルネスという切り口
第四章:「瞑想メソッド」を超える
第五章:アップデートする仏教
第六章:「仏教3.0」へ向けて
「あとがき」山下良道

米国にてMBAを取得後、2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立。新商品・新規事業コンサルティング、ワークショップを行う。『ビジネスモデル・ジェネレーション』(訳)、“IDEA HACKS!”等ハックシリーズなど著書多数。(>>推薦書籍一覧)
禅や瞑想といったメソッドが、むしろアメリカにおいて広く受容され、そこから本来の仏教の可能性が見えてきている。今の自分と現実をあるがままに受け入れ、ひとつのことに集中するマインドフルネスと呼ばれる状態は、ビジネスパーソンがハイパフォーマンスを発揮するための方法としても応用可能だろう。
推奨読者:
将来の心配をしてくよくよ悩む時間は、実はなにも生み出していない生産性の低い時間である。「いまここ」に集中し、その結果未来を切り拓いていくような推進力を得たい読者におすすめだ。(小山龍介)
要約ダイジェスト
「アメリカ仏教」からの衝撃
著者二人は、成長してものを考えるようになったときに仏教に出会い、偶然にも「安泰寺」という一風変わった寺へ飛び込むことになった。
二人とも別に寺の住職になるつもりもなく、職業としての僧侶を目指すつもりもなかった。ただお坊さんになって、一生、誰にも文句を言われず純粋に修行をしようと思っていたという。
両氏は、どうやら日本の仏教の主流においては、仏教を教える人も学ぶ人もまともに仏教のメッセージを信じていないのではないか、特に僧侶にそういう人が多いのではないかと指摘している。
この悲しいまでの形骸化、これが日本の仏教の現場で起きている一番の問題である。このような状態では、仏教が衆生からの要望に応えられるわけはないのだ。
開祖であるブッダも