本書はネット広告の黎明期から活躍し、オーバーチュア、グーグルなどを経て、現在はアタラ合同会社 代表取締役CEOを務める杉原剛氏の推薦書籍です。
- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者らの提唱するポジショニング(消費者の頭の中で商品をどこに位置づけるか)における問題は、たいていのマーケターが商品そのものを研究してセールスポイントを探してしまうことだという。つまり、商品や企業ではなく「消費者側」から発想しなければならないのだ。
フイリップ・コトラーが「『4P』の前に、何よりも重要なステップはもうひとつの『P』、ポジショニングである」と序文で語っているように、本書は発表当時「現代マーケティングの革命」と評され、数十年を経たいまも、その本質的な指摘からマーケティングの「必読書」として世界中で読み継がれている。
著者:アル・ライズ、ジャック・トラウト
両者ともに、本書で「ポジショニング」という新しい概念を提唱し、マーケティング界に一大旋風を巻き起こして以来、世界屈指のマーケティング戦略家として活躍。共著に『マーケティング戦争』(翔泳社)『マーケティング22の法則』(東急エージェンシー出版部)など。アル・ライズは現在、ライズ&ライズ社を経営。ジャック・トラウトは現在、トラウト&パートナーズ社社長。
海と月社 新版
序 マーケティング界を一変させた「新ルール」
01 ポジショニングとは何か?
02 頭脳は集中砲火を浴びている
03 頭の中に忍びこむ
04 「小さなはしご」を見逃すな
05 そこからでは、目的地にたどり着けない
06 業界リーダーになる必勝パターン
07 追いかける側の「勝ち方」とは?
08 ライバルのポジションを崩せ!
09 「ネーミング・パワー」をこの手に
10 「イニシャル」にご用心
11 「ただ乗り」は失敗の元
12 ライン拡大は企業を弱体化させる
13 ライン拡大で成功するための条件
14 「自社」をポジショニングする方法
15 「国」を売り出す際のポイント
16 無名の島を一大観光地にする
17 ポジショニングでヒット商品に変身
18 サービス業の「正しい」戦略
19 地方銀行でも大手都市銀行に勝てる
20 ライバルの弱点は「的確に」突け
21 「オーソリティのお墨付」を利用する
22 ポジショニングは教会をも変える
23 自分のキャリアアップに応用できること
24 戦略開始前に「六つの自問」を
25 まとめ──ポジショニングで勝利する12の決め手
要約ダイジェスト
「ポジショニング」という新手法
「ポジショニング」とは何か
「失敗したのは、コミュニケーションが足りなかったからだ」——ビジネスでも、政治でも、結婚生活でも、何かことが起こると、誰もがこの言葉をすぐ口にする。だが、事実はそうではない。
私たちは今、人類史上初の情報社会に生きており、発信される情報もコミュニケーション手段も増える一方だ。つまり、問題はコミュニケーションに費やす時間や量ではなく、「どのように」コミュニケーションをとるかなのである。
情報社会のなかで、人は限られた時間内でより多くの情報を得るために、インプットした情報を次々と捨てている。人々の頭の中は、既に水のしたたるスポンジ同然の状態だが、広告業界はそこにさらに情報を注ぎこみ、メッセ-ジが届かないと嘆いているのだ。
本書のテーマである「ポジショニング」とは、消費者の頭の中に、商品を位置(ポジショニング)づけることだ。その基本手法は、「消費者の頭の中に既にあるイメージを操作し、それを商品に結びつける」というものである。
では、どうすれば消費者の頭の中に入りこむことができるのか?