- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者ジョージ・フリードマンは大学で政治学の教鞭を執りながら、情報機関「ストラトフォー」を立ち上げた人物。ストラトフォーは1999年のコソボ空爆、2001年の同時多発テロ事件とそれに続くアフガニスタン侵攻など、特にアメリカ外交の転機に的確な分析や予測、提言を通して指導力を発揮し、「影のCIA」の異名を取るほど各界に大きな影響力を誇る民間企業。
1949年ハンガリー生まれ。ニューヨーク市立大学卒業後、コーネル大学で政治学の博士号を取得。ルイジアナ州立大学地政学研究センター所長などを経て、1996年に世界的インテリジェンス企業ストラトフォーを創設、チェアマンを務める。同社は、政治、経済、安全保障にかかわる独自の情報を、アメリカほか各国の政府機関、世界中の一流企業に提供する。
序章 アメリカの時代とは何か
第1章 アメリカの時代の幕開け
第2章 地震―アメリカの対テロ戦争
第3章 人口、コンピュータ、そして文化戦争
第4章 新しい断層線
第5章 2020年の中国―張り子の虎
第6章 2020年のロシア―再戦
第7章 アメリカの力と2030年の危機
第8章 新世界の勃興
第9章 2040年代―戦争への序曲
第10章 戦争準備
第11章 世界戦争―あるシナリオ
第12章 2060年代―黄金の10年間
第13章 2080年―アメリカ、メキシコ、そして世界の中心を目指す闘い

1976年、日興證券株式会社(現SMBC日興証券)入社。フロント、ミドル、バックの幅広い部門を担当、2008年に代表取締役社長、2013年に代表取締役副会長、2014年より現職に就任。(>>推薦書籍一覧)
タイトルの通り、これからの100年の世界の情勢を大胆に、しかも論理的に予測したものである。2009年に出版されており、この間の現実の変化と比較するのも一興だが、予測が当たるか外れるかということ以上に、従来とは異なるものの見方や考え方、洞察力や示唆溢れる内容はとても興味深い。
推奨読者:
Gゼロとも言われるような昨今の変化に富んだ世界について、長期スパンでの可能性を広角度からざっくり捉え直してみたいという人にお奨めする。文庫化され、手に取るにもより身近になっている。(渡邉英二)
要約ダイジェスト
本書の狙い
本書の狙いは、未来がどのようなものになるのか、その感触を伝えることにある。従って本書では、地政学、科学技術、人口動態、文化、軍事における動向をつきとめ、今後起こり得る重大な出来事を明らかにすることを試みる。
未来について唯一確信をもって言えるのは、「そこでは常識が通用しなくなる」ことだけだ。歴史のパターンは、単純な力に支配されているのではない。国際関係において、いま目に映る世界は、20年後に目に映る世界とはまったく異なるのだ。
その点において、従来の政治分析による未来予測は想像力が著しく欠落している。誰の目にも明らかな、