- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書は、様々な観点からファッションというものを総合的に捉えた、著者流の「ファッション業界の哲学書」とも言うべき一冊である。ファッションとは、単に流行やトレンドを発信することではなく、またビジネスの対象としてのみ存在するものでもないという。「イッセイ・ミヤケ」社長(当時)だった著者は、アメリカで培った知識と経験を生かし、日本のファッション業界に変革をもたらした。
本書では、単身NYへと渡り、日米ファッション業界の橋渡し役に始まり、現在の業界を育て上げた功労者である著者の自伝的ドキュメンタリーという形で、日本のファッション業界がバブル黎明期から急速に発展し、現在に至るまでの軌跡がドラマチックに語られている。
著者:太田伸之
株式会社海外需要開拓支援機構(略称:クールジャパン推進機構)代表取締役社長。1953年三重県生まれ。1977年、明治大学経営学部卒業後、フリーランスジャーナリストとしてニューヨークに渡る。1985年、東京ファッションデザイナー協議会設立のため帰国。1995年より株式会社松屋 顧問兼東京生活研究所専務取締役所長。2000年-2010年株式会社イッセイミヤケ代表取締役社長。2013年から現職。
出版:毎日新聞社
第1章 日米ファッションビジネスの違い
第2章 デザイナー成功の条件
第3章 プロのバイヤーを育てる
第4章 東京発世界に向けて
第5章 念願のマーチャンダイジング
第6章 お客様本位の企業目指して

米国にてMBAを取得後、2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立。新商品・新規事業コンサルティング、ワークショップを行う。『ビジネスモデル・ジェネレーション』(訳)、“IDEA HACKS!”等ハックシリーズなど著書多数。(>>推薦書籍一覧)
クールジャパン推進機構の社長に就任した太田伸之さんの話を聞く機会があった。淡々とした口調で語られるその話の内容に圧倒され、すぐに手にとったのがこの本。太田さんのファッション業界での格闘の歴史に、仕事というのは〈稼ぎ〉であるとともに〈勤め〉でもあるということを再認識させられる。
推奨読者:
仕事に主体的に取り組めずに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。問題意識を持ち、自分なりの軸をもって取り組むことで、仕事は何倍にも面白くなる。(小山龍介)
要約ダイジェスト
ファッションビジネスに奇策はない
ファッションビジネス業界は生活者の深層心理やトレンド、天候の影響を受けやすい。しっかり立てた商品戦略が外れる一方で、予想外の流行も生まれる不確実性の高い産業である。
しかし、だからといってマーケティングやマーチャンダイジングが不要なのではなく、
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