『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』
(橋山 禮治郎/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 本書は、リニア新幹線計画について、長年公共的プロジェクトの評価に携わってきた筆者が、経済性、技術的信頼性、社会や環境への影響の多面的な視点から考察し、具体的な問題提起を行なっている一冊である。
 2007年に突如として計画が再始動したリニア計画。しかしその実像をどれだけの国民が正確に把握しているだろうか?すべての国民に関係するであろうリニア計画の妥当性を考えるとともに、公共プロジェクトのあるべき姿を浮き彫りにした良書。

著者:橋山 禮治郎
1940年生まれ。千葉商科大学大学院客員教授。アラバマ大学名誉教授。専門は政策評価、公共計画、経済政策。日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)調査部長、日本経済研究所専務理事などを歴任。大平内閣の「田園都市国家構想」立案に参画したほか、運輸政策審議会、産業技術審議会、経済審議会等委員をつとめる。
第1章 リニア計画はなぜ生まれたのか
第2章 なぜリニア中央新幹線をつくるのか
第3章 どのようにつくるのか
第4章 過去の“失敗プロジェクト”に学ぶ
第5章 経済性を検証する
第6章 技術面、環境面から検証する
第7章 リニア計画の“終着駅”
第8章 リニア計画の政策決定の在り方を問う

要約ダイジェスト

リニア計画はなぜ生まれたのか

「夢の新幹線」と言われてきたリニア中央新幹線。世界各国の都市間鉄道高速化の流れの中で、日本は、国鉄付属の鉄道技術研究所を中心に、磁気浮上式リニア鉄道の技術開発に取り組んできた。

77年に宮崎実験線が完成、90年には山梨実験線が着工。バブル崩壊後、一度計画は消えたかに見えたが、2007年に計画が再浮上している。現在はJR東海が開発を行ない、実用段階に向かいつつあるという。

世界初の超電導磁気浮上方式を採用し、日本の年間公共事業費を大幅に上回る約9兆円(原発20基分)もの建設費をかけた壮大な鉄道建設計画である。しかし、壮大な公共的プロジェクトであるにもかかわらず、

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