『謎の独立国家ソマリランド』
(高野 秀行/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次

2012年、ソマリアでは暫定政権による統治が終わり、21年ぶりに公式政府「ソマリア連邦共和国」が発足した。この内戦終結への一定の成果が出るまでに、これだけの時間がかかった一方で、旧ソマリア共和国内に10年以上平和を維持してきた民主主義国家があった。ソマリランドである。

しかし、この国についての正確かつ詳細な情報は皆無に近い。著者 高野秀行氏はその謎を解明すべく、未知のソマリランドへの旅を決行する。高野氏は10年以上ミャンマーの少数民族の地域に通い「シャン」民族の独立運動を支援するなど、異色の経歴の持ち主。本書は、「謎の国家」マニアがソマリランドの真の姿に迫るノンフィクション。


著者:高野 秀行
ノンフィクション作家。1966年東京都生まれ。早稲田大学探検部当時執筆した『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。タイ国立チェンマイ大学日本語講師を経て、ノンフィクション作家となる。誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。2006年に『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を受賞。

出版社: 本の雑誌社


プロローグ 地上に実在する「ラピュタ」へ
第1章 謎の未確認国家ソマリランド
第2章 奇跡の平和国家の秘密
第3章 大飢饉フィーバーの裏側
第4章 バック・トゥ・ザ・ソマリランド
第5章 謎の海賊国家プントランド
第6章 リアル北斗の拳 戦国モガディショ
第7章 ハイパー民主主義国家ソマリランドの謎
エピローグ 「ディアスポラ」になった私
推薦者コメント
税所 篤快< e-Education project 共同代表 >
途上国における子ども達に、映像を用いた教育支援を行うプロジェクトを発足。2014年、世界銀行におけるイノベーションチャレンジにて最優秀賞に選出。東洋経済オンライン「新世代リーダー50人」選出。(>>推薦書籍一覧

未だに戦火の絶えないソマリアの北部に「ラピュタ」の如き謎のベールに包まれた国ソマリランド。未確認情報を現場に飛び込み手探りで探し出す勇敢さ、目当ての情報が得られるまでインタビューを繰り返す粘り強さ、そして丹念にそれを記録しつづける筆力、どれをとってもノンフィクションの伝説ともいえる作品。

早稲田の大先輩、高野秀行さんに敬礼がしたくなる。ひとつの仕事にここまで「好奇心」をもってのめりこむことの重要性を伝える傑作だ。

推薦読者:
20代から30代でソマリアのことは映画ブラックホークダウンかキャプテンフィリップスしか見たことがないというビジネスマン、アカデミシャン、NPO,NGO従事者。

長大な本ですが、読んだ人は100発100中で面白い!と叫び声を上げています。大丈夫です。大事なところだけ押さえて、とばし、とばし読むことも可能です。(税所 篤快)

Check Point

  • 無政府状態で平和な独立国家を長年保っているソマリランドは、通貨の安定流通、市中の治安の良さなど、「地上のラピュタ」と呼べるものであった
  • 旧ソマリアは、大きく三つの地域に分かれる。「民主主義国家」のソマリランド、「海賊国家(?)」のプントランド、「リアル北斗の拳」の南部ソマリアである。
  • ソマリ人は紛争解決において、伝統的な「へール」(掟)に則り「ヘサーブ」(精算)する。この際重要なのは、原因ではなく、ラクダが何頭盗まれたなどの「数」であり、内戦の終結にも役立った。

要約ダイジェスト

地上に実在するラピュタへ

ソマリランド共和国。アフリカ東北部、アフリカの「角」と呼ばれている地域のソマリア共和国内に存在する。ソマリアは報道で知られるように、内戦というより無政府状態が続き、「崩壊国家」という奇妙な名称で呼ばれている。

そんな崩壊国家の一角に、そこだけ十数年も平和を維持している独立国があるという。それがソマリランドだ。国際社会では国家として承認されていない。「単に武装勢力の一部が巨大化して国家の体裁を見せているにすぎない」という説もある。

それなのに平和が維持されているとはどういうことなのか。イラクやアフガニスタンのように、

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